21世紀を生きるあなたへのメッセージ
〜 川崎市性教育テキスト 〜


以前のスパイニュースにて、川崎市で使用された性教育テキストを紹介した。
ちなみに、このテキストは、以下のようなニュースにも取り上げられたので知っている人も多いことだろう。

川崎市、高校でも性教育逸脱 テキスト配布 文科省「ひどすぎる」


性教育で教える内容としては逸脱していると各種メディアで報じている反面、「ただ書いているだけだ。大袈裟に報道しているのはメディアの方だ」と もされており、前回のスパイニュースにて一番メディアが取り上げた「オナニーをシングルセックスと呼ぼう」について触れさせて貰った。

内容の感想については、皆さんのメディアリテラシーにお任せするとして・・・他の部分はどうだったのかをご紹介させて頂こうと思う。



1、女の子のからだはだいたいこうなっていく
一生つきあう自分のからだ、よく知るとからだからのメッセージが聞こえてきます。思春期を迎えると、性腺刺激ホルモンが卵巣に作用し、からだが変わってきます 
                   テキスト本文より


写真
鏡で映してよく見てみたらどうでしょうか。


女の子の性


一般に性欲がさかんで能動的な男の子の性に対して、女の子の性は受動的だと言われ、男の子にくらべて女の子の方にしてはいけない性についての決まりが多くあります。こうした女の子と男の子とで異なる決まりがあることを「性の二重基準」といいます。この「性の二重基準」が、男の子を性行為の主導権を握る性、女の子を見られる性、男性の性的な欲望の対象としての性という非対称な関係性をつくり出していると考えられます。
                          (本文より抜粋)


こんな事が言いたいんだな?というのは解るのものの、酷く意味が通り難い書き方をしていると思ってしまうのは邪推だろうか?


2、人はなぜセックスをするのか

@セックスはインサートだけではない
「セックスは生殖のためのもの」という文化のもとでは、男性のペニスを女性の膣に挿入し、射精することだけがセックスだと考えられてきました。アダルトビデオに出てくるのは、インサートによってオーガズムを感じている女性の姿ばかりで、男性中心の性のファンタジーをそのまま描いたものが圧倒的です。しかし、女性が性的快感を得るところは、人によっていろいろですが、その中でも男性のペニスにあたるクリトリスが最も敏感とも言われています。また性的快感といっても、いつでもオーガズムを求めるわけではなく、そのあり方ももっと多様で複雑です。インサートによってオーガズムに達するセックスこそ最高のものという思い込みがかえってセックスを貧しいものにしてきたといえるでしょう。

Aセックスはお互いの気持ちや感情を大事にしながら高めていくもの
セックスとは、人間と人間が性的に親密な関係を二人して築いていく行為だと考えたらどうでしょう?お互いに、性的な触れ合いによってパートナーとの気持ちや感情の交流を確かめ合いながら、満足感や一体感を得る。そんなことができるセックスを時間をかけて二人でつくり出していきましょう。

Bセックスはコミュニケーション
お互いに快適な性的関係をつくっていくのは相互の努力が必要ですが、それはまたとても楽しいことではないでしょうか。インサートにこだわらず、お互いの合意を前提にして指や口や体中を使った愛し方を工夫するなどあってもいいですね。互いの快、不快を伝えあいながらともに納得のいく性的関係を育てていきたいものです。

Cセックスの相手は異性とは限らない
セックスによる親密な関係を結ぶ相手が、異性である人も同性である人も、中には両方の性である人もいます。これまで生殖のためのセックス以外はみだらなものという考え方が根強くあって、そのため同性愛などは非難されたり、排除されたりしてきましたが、今日では異性愛も同性愛も両性愛もそれぞれ多様なセクシュアリティの一つなのだと考えられるようになってきました。
                 (本文より抜粋)


写真


避妊方法について、上記写真のような説明がある。しかし、隣のページにて「実際に適用するのは難しいし不確実」とはあるものの、基礎体温方やオギノ式を「排卵に関わる避妊法」として紹介するなど、ちょっとした矛盾も目立つ。


他、


写真


レイプは「100%男の責任」と言い切るような文章の割には、“レイプの何割かはデートレイプ”ということに触れられていない。


※この「デートレイプ」の部分、取材を続けていく内に「本当に男の責任だけなのか?」と思うような事もある為、追って特集します

また、援助交際を“両親から需要されていないとか、家庭の中で居場所がなく自分に自信のない女の子達が、家の外でいっときの自己肯定感を得るために援助交際をしている事実もあり複雑”などと、援助交際を否定しきっていないような書き方もある。

援助交際はれっきとした“売春”であり、買う側も売る側も罰せられるとは書かれていない。書かれているのは以下のようにだ。

援助交際とは大人の男性と契約して、「食事とカラオケだけ」とか「からだを触らせるだけ」とか「セックスをする」ことを代償にブランド品を貰ったらり、お金を貰ったりすることをいいます
                        (本文より)

「どうしてそのような事をするのか?」については、自分の行動を自分なりの価値観によって判断し、決めているとみられる・・・など、肯定はしていないのかもしれないが、否定もしていないという玉虫色な記述もあり、正直これが性教育の名の下に行われているのかと思うと、不適切ではないのかとも感じる。


などなど・・・そこまで目くじらたてて報道をすることでも無いが、一部に性教育とは名ばかりの不適切な表現も含むテキストというところだろうか。

むしろ、「こんな事を他人に教えて貰わなければならないところまできているのか」と思うところが大きい―――



「当たり前の事を当たり前に出来なくなった現代人の為のテキスト」と考えれば丁度いいのかもしれないと思うのは、大人世代の自虐かもしれないが。



( 探偵ファイル )


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