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〜 レンタルビデオ店店長の憂鬱 〜 様々な業界で働く人がいます。ですが、その業界に身を置く者にしか解らない裏話も沢山あります。興味があっても、「実情はどうなんだろう?」という不安を持つ方々の質問にお応えするこのシリーズ。 今回は、以前大手フランチャイズチェーンのレンタルビデオ店の店長をされていたという方にお話を訊いてみました。多くの人が利用しているレンタルビデオ店。その内情はどのようなものなのでしょう? ![]() ▲写真はイメージ画像です。 ―――このお仕事に就いたきっかけは? 同業種(書店)でアルバイトをしていたのがきっかけです。 求人に応募して店舗の書籍部門社員として入社しました。 ―――この仕事の魅力は? 情報を発信している仕事ですから、常に新しい情報に接するので同年代の友人より若く生きていけます。 あと周りのスタッフ(アルバイト)に若い女の子が多いのも魅力(笑)その気になれば彼女には困りません。おかげで辞めてしまった今は困ってます(笑) ―――このお仕事で苦労した点は? 店長になると分かるのですが、とにかく儲かりません。 本やCDの部門は粗利率が非常に低く、レンタルもPPT※で商品を導入する事が多いので、大して儲かりません。 (Pay Per Transaction=出来高払い制による収益分配方式。レンタル商品を店が購入するのではなく、メーカーから貸与され、レンタル回数に応じた分配金をメーカーに支払うというシステム。購入して仕入れるのに比べリスクが少ないが、メーカーへの分配金の支払いがずっと続く) 働いていた企業はフランチャイズでしたのでさらにロイヤリティも取られ、収益体質は悪かったです。 よって経費の大部分でしかもわりと簡単に削減出来そうな「人件費」にしわ寄せがきます。 そうすると、アルバイトが雇えないから人手が全く足りない→帰れないし休めないのに儲かってないから給料が安い、という悲惨な状況になります。最近は労働基準監督局からの締め付けも厳しいらしく「社員残業ゼロ」がスローガンだそうで、店長は瀕死の状態のようです。 ―――よくあるトラブルやその対処法について教えてもらえますか? お客さまからのクレーム、万引き(強盗)ですね。 私が働いていたフランチャイズチェーンは非常にクレームが多く、私が以前勤務していた店舗ではクレームの電話が鳴らない日はありませんでした。1日に同じお客さまのお宅に何度も配達に行かされた事もあります。まあ大抵のクレームのお客さまには「菓子折り」攻撃一発で態度は軟化します。あとはお客さまをキレさせないようにお話しをお伺いし、お詫びすればOK。ちょろいもんです。 しかし、お客さまとは名ばかりの輩が横行していて、なにかにつけクレームをつけ、利益供与を求めてきます。こういった輩には断固とした姿勢で対処するしかありません。昼の2時から夜中(明け方)の5時までそんな輩と対決したことがあります。ここまでくると根比べで、負けてたまるかと思いましたね(笑) こういった輩には営業妨害である旨かいた「内容証明」を何度か送りつけた事がありますが、効果覿面で2度とこなくなりました。 私のように気が強ければいいですが、大抵の人間は理不尽なクレームが多発する店舗に配属になると精神をやられます。私の同僚も鬱や胃潰瘍などでバタバタ倒れ、辞めていきました。 あとは万引き。 最近は、万引きというよりももはや「強盗」といっていいものもあります。 5,6人の集団でこちらがこちらが警戒・監視していると、因縁をつけて取り囲まれます。それを対処している隙にほかの人間が商品をごっそり、と言う手はずです。 こんな目にあったアルバイトは次の日には辞めてしまいます(笑)店長の我々でも命の危険を感じるくらいですから当然ですが(笑) 万引きに対しては警察も対処が甘く、一向に動いてもらえません。 「万引き倒産」と言う言葉がありますが、本当に切実です。万引きは窃盗ですから、しかるべき法整備も必要なのではないでしょうか? ![]() ▲写真はイメージ画像です。 ―――一般の人には秘密の事があったら教えてください。 たいして秘密、というほどの事はないですね。 新作をタダで借りたり出来る事ぐらいでしょうか。会社には内緒でしたが(笑) ―――笑い話や苦労話は? 今なら笑い話に出来ますが、万引きして原付で逃げ回るガキ供にどうしても我慢できなくて、車で追いかけた所、撥ねてしまった事があります。幸い相手の怪我は大した事はなく、「逃げた方が悪い」との事で私にはお咎めがなかったので助かりました(笑) 先程も述べましたが社内恋愛(笑) 店の可愛いアルバイトに手を付けまくっていたら、バレて全員一挙に辞める事態になり店長も異動、という話もありました。 あとはたくさんのお客さまと接しますので、クレームさえなければ飽きないですね。 綺麗な方や、変な方、また今となればおかしなクレームもたくさんありました。体をボリボリ掻きながら立ち読みされる常連のお客さまがいらして、ほかのお客さまから「肌の粉が本についてる!なんとかしろ!」と言われて見にいったら本当に本の上にうっすら積もっていた!なんて事もありました。 苦労はとにかく労働条件の過酷さと、精神的な過酷さです。 人件費の少ない店舗では一度店に出勤したらなかなか帰れませんし、休みでもクレームがあれば店舗に戻らなくてはなりませんので、携帯の電源は切れません。先程も述べましたがクレームや万引きには気が狂いそうになりそうでした。 ―――この仕事に就こうと思う方へ何か一言。 よほど、CDやビデオ、本が好きでないと、長い間は勤まりません。 私が勤めていた会社の平均勤続年数は3年程度でした。軽い気持ちで入社すると、とんでもない目に遭いますよ。覚悟して選んで下さい。 いかがでしたでしょうか? 人と接することの多いお仕事は、やはりその事による苦労も多いのですね。 皆さんがお客として利用する時に、またこのお仕事に就く時にこの情報が参考になれば幸いです。
( 探偵ファイル・千明 )
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