働く人の憂鬱シリーズ
〜 ホテルマンの憂鬱 〜


様々な業界で働く人がいます。ですが、その業界に身を置く者にしか解らない裏話も沢山あります。興味があっても、「実情はどうなんだろう?」という不安を持つ方々の質問にお応えするこのシリーズ。
今回は、華やかな舞台の裏で、様々な苦労とドラマを繰り広げているホテルマンにお話をお伺いして来ました。どんな裏話が飛び出すのでしょう?
それではインタビュー開始です!



―――この仕事をなさろうとしたきっかけは?
Mさん:やはり、ホテルへの憧れからです。自分が宿泊した際の対応の素晴らしさや、華やかな職場に見えた事が大きな要因です。また、以前はまったく違う職種の営業をしていたのですが、法人の相手の営業よりも、個人あいての接客の方が向いていると感じたのもきっかけの1つです。
Nさん:先輩の紹介で、もぐりこめました。

―――このご職業の魅力は?
Mさん:私の職場はリゾート地にあるホテルなんですが、職場が自然に囲まれている点、また、癒しを求めに見えられるお客様にご満足頂いてお喜びの言葉を頂いた時に、自分が受けた感動をお客様に与える事ができた喜びを感じます。
Nさん:芸能人や政治家によく会えることです。

―――実際仕事をしてみて、内情はどんなものでしたか?(賃金・給料の事など)
Mさん:賃金はサービス業全体に言えることだと思いますが、とても安いです。また、どの業界でも言える事だとは思いますが、華やかな裏側には仕事に従事している人々の苦労があります。
Nさん:給料などは妥当な額と判断。しかし、若いのに高級外車に乗ってる先輩もいます。(どういうわけだか・・・)
ホテルの朝食でバイキングを出しているのですが、ホテル直属のレストランで出しています。早朝からシェフは出勤していますが、実際に作っているわけではなく、シェフは午後の仕込みをしています。じゃあ、どうしているかと言うと、私が作っています(無免)。レンジで、チンをはじめ、バナナの裁断、ウィンナーの調理、ピラフ、スクランブルエッグ、湯豆腐と。私が調理しているのはほぼ全ての料理です。
お客さんが帰り際に『美味しかったです』などと言っているのが悲しくなります。



―――ホテルマンを目指すなら知っておいた方が良い事は?
Mさん:見た目の華やかさだけを見ていると、実情に対面した際に持たないと思います
また、殆どのホテルがシフト制ですので、土日祝日の休みは、ほぼ無しと思われていた方が良いでしょう。
Nさん:サービス英会話です(私は英語が話せるため、外国の団体がいる日は確実に出勤している)。

―――結構行われているけど、一般の人には内緒(秘密)の事ってありますか?
Mさん:電話の予約で雰囲気の悪いお客様や、過去にクレームの多いお客様などは、満室で無いのにお断りをする等あります。そして、あまりにも目に余るお客様はグループ内のホテルに出入禁止になるといった事もあります。
また、普段は出来る事でも、いけない事なんですが、態度の悪いお客様にはお断りしてしまったりもします。
Nさん:結婚式や宴会での料理は、午前中、私が作った残り物の可能性がある!ということくらいです(どこのホテルかは秘密)。

―――「この仕事をしていて良かった」と感じた時のお話を。
Mさん:やはりお客様に喜んで頂ける事が一番ですね、食事や客室の良かった所など具体的に言って頂けたりしますと励みになります。
Nさん:まだ、日が浅いので特にないのですが、外国の人が私に、日本に来た記念の写真を強請り、私自身日本人の証明として写真に、200枚ほど写っていることです。いすれあの外人が大物になって私にお礼を言いに戻ってくる事を祈っています。



―――笑い話とか、苦労話とか有ったら教えて下さい。
Mさん:時々忘れ物で何故?と言う物がありますね、客室の物でないTVのリモコンや一般的な物ですと入れ歯とか。後、耳の遠いお客様はしょうがないと思いますが、話を聞けないおば様は困りますね。同じ事は何回も言わせないで下さい。
Nさん:避難訓練の事を知らずに大慌てして、ほんとに小火騒ぎを起こしてしまい一日だけ経営ストップさせてしまった(レストランのみ)。

―――その他、言いたい事があったら是非
Mさん:問題があった際には具体的おっしゃっていただきたい物です。ただ、食事が不味いとか、料金が高いと言われても、それは相対的な問題ですので、非常に対応に困ります。例えば、魚の鮮度が悪いですとか、椀の塩がきつい等々、個人個人の好みもありますので、全てに対応はできませんが、お好みに近づける努力はいたします。
また、応対していますホテルマンも人間ですし、お一人だけをお相手しているのではありませんので、節度ある大人の対応をして欲しいですね。「私は客だ!」と言うのは自分の印象を悪くするだけですので、良い事はないと思います。
Nさん:自称ホテル評論家が来ることです。そういう人に限って、料理の事と風呂の事しかクレームをつけない。そして、自分がいかに偉いかを、延々とアルバイトに説教する事です。
一番たちが悪いのが外人のクレーマー。生卵は衛生上、夏場はだせないので、ゆで卵をだすのですが、その方はゆで卵をトーストにかけて食べたいなどと言い出し、私は買いに行かされました。文化の違いを理解して欲しいです。



如何だったでしょうか?ホテルマンの憂鬱。皆様も、1度はホテルを利用された事があると思います。その裏側では、こんな事があったのですね。日本に来る外国人さんに困る事があるようですが、逆に海外に出掛けた日本人が、現地のホテルマンに、「やれやれ…」と思われているかもしれません。我々も気を付けなきゃ!ですね(笑)
ホテルマンの皆様、これからも良いサービスを期待しております。頑張って下さいね!



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