働く人の憂鬱シリーズ
〜 YahooBB隊さんの憂鬱 〜


様々な業界で働く人がいます。ですが、その業界に身を置く者にしか解らない裏話も沢山あります。興味があっても、「実情はどうなんだろう?」という不安を持つ方々の質問にお応えするこのシリーズ。
今回は、街を歩くと必ずといっていいほど出くわす、ヤフーBBの勧誘のお仕事をなさっている方々にお話を伺いました。ネット上では、“アホーBB”などと言われ、ウザイ、通行の邪魔などあまり人間扱いされてない存在ですが、実際の所、本人達はどのような気持ちで街角に立っているのでしょう?
それではインタビュー開始です!


―――この仕事を始めようと思ったきっかけは?
佐藤さん(仮名):私は派遣制のアルバイトとしてこの仕事をやっています。なので、たまたまこの仕事を回されたからやっているっていうだけですね。自分からヤフーの仕事をやろうと思って始めた訳ではありません。この仕事はそういう形でやっている派遣アルバイトの人が多いんですよ。キャンペーンを仕切っている代理店が直接雇っている人もいますが、そういう人の方が少ない位です。
鈴木さん(仮名):この仕事を始める前からよく道端で見かけてたので、大変な仕事だろうなぁとは思ってたんですが、日給で1万円以上貰えるし、勤務日に融通が利くという事だったので始めました。
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▲広末さんの中の人も大変です。
ちなみに、広末さんの写真集はこちら



―――この仕事の魅力は?
鈴木さん:さっき言った事と重複しますが、ズバリお金です。それ以外の美点が思いつきません(笑)
佐藤さん:私は間に派遣会社が入っているので、鈴木さんのように日給1万円以上って事はないのですが、日払いでお給料が貰えるので、お金が欲しい時に集中して働いて稼げるので助かっています。
逆に、お金に余裕がある時は働かない。そういうわがままな働き方は、他のバイトではまず出来ないんじゃないでしょうか。
田中さん(仮名):毎日色々な所に行けるという点ですね。東京で普通に暮らしてても、まず行く機会のないような、そこに住んでいる人しか利用しないであろう下町の駅なんかでも仕事がある。
休憩時間に付近の商店街をウロウロしたりするのはちょっと楽しいですよ。まぁでもこの楽しさは私のように毎週欠かさずぶらり途中下車の旅をチェックしているような街歩きマニアしか理解出来ないのかもしれませんが。
とりあえずこの仕事をやってると東京の地理に詳しくなれます。

―――実際仕事をしてみて、実情はどのようなものでしたか?
佐藤さん:街でこの仕事をやっている人達を見てると、みんな必死で道行く人に声をかけていたので給料は歩合制なのかな?と仕事を始める前までは思っていたんですが、実際は日給制だったのには驚きました。
代理店から直接雇われている人の中には歩合の人もいるのかも知れませんが、私が今まで一緒に仕事をした人は殆ど日給制でした。
じゃあ何故あんなにみんな大声をはりあげているのかというと、道端でぼーっと立っているのが辛いからです。ぼーっとしてたり、一緒にいる人とお喋りをしていたりするとなかなか時間が過ぎない。お客サンを捕まえて、商品の説明をしていると30分くらいはあっという間に過ぎるのに…。不思議なモンです。
鈴木さん:佐藤さんはお気楽な事を言ってますが、自分がリーダーになった現場で契約が取れないと結構悲惨です。仕事途中の報告の時点でごちゃごちゃ言われます。報告の時間でなくても携帯にSV(スーパーバイザー:まとめ役・アドバイスする人)から電話が来ます。見回りの時にもぐちぐち言われます。更に会社に帰ってからSVにねちねち言われます。
リーダー以外の人は会社に戻らず現場から直接家に帰っちゃうので知らないと思いますが、しつこいSVが上にいた場合、本当に死にたくなるような思いをします。その代わり、沢山契約を取るとめちゃめちゃ誉められますけどね。
田中さん:色々な場所でキャンペーンブースが建っているので、自分の家の近くで仕事が出来るものだと思われがちですが、実際はかなり遠方に行かされる事が多いです。
前に千葉県の船橋へ仕事に行った時、一緒に仕事に入った女性が神奈川県の茅ヶ崎の人だった事もありましたね。その日はあまり契約が取れなかった事もあり、帰りの電車でその人が「もうこの仕事嫌だ」と泣き出しちゃって困りました。気持ちは解らなくも無いんですが…。
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▲老夫婦にお奨めする場面も…

―――この仕事をやるのなら知っておいた方がいい事は?
夏は暑くて、冬が寒いのは皆さん想像できるでしょうが、春や秋でもその日によって暑すぎたり寒すぎたりして、ちょうどいい天候の時はほとんど無いです。長時間街頭に立つというだけでこんなに辛いとはやってみるまで思ってもみませんでした。
あと、仕事中に着せられている衣装ですが、一応会社が定期的にクリーニングしてくれてはいるものの、数が足りなくなってきたりすると、冬物の白いベンチコートや薄手のジャンパーなどの首や袖の部分が広範囲に渡って黒くなっていたりする事があるので、潔癖症の人にはキツイかも。
会社をリストラされた30代の元サラリーマンから、19歳の元ホストまで、毎日様々な同僚と一緒に仕事をしなければならないので、偏見無く色んなタイプの人間と会話が出来る人でないと勤まらないかも知れません。

―――その他、言いたい事があったら是非
ネット上ではヤフーBBはあまり評判が宜しくないようですが、一番安い費用でADSLを利用出来るのはヤフーBBです。それにプラスして、ヤフーBBの提供するBBフオンは別途料金を払わずIP電話を使えます。その他のプロバイダが提供しているIP電話サービスは別途月額料金がかかります。
更に、BBフォンは一般の電話にかける際の料金だけはなく、携帯電話に発信する際の料金も割安になっています。IP電話用の特別な電話番号も必要ありません。0120で始まるフリーダイヤルへそのままかけれるIP電話はBBフォンだけです。
「モデムのレンタル代が見えない基本料金となっている」などと言われますが、他のプロバイダもモデムのレンタル代がかかります。それも、ヤフーより高いモデムレンタル料を取っているプロバイダも多数あります。サポート用の電話が繋がらないのは他のプロバイダも一緒です。
今、NTT月額料金+フレッツADSL+プロバイダ料金を普通に払っているのなら、ヤフーに乗りかえると多い人で月額2000円近く安くなる場合もあります。対した比較検討もせず、イメージだけでヤフーBBを毛嫌いしている人がいますが、そういう人達は本当に損をしていると思います。
ネット上で流れている、なんとなく書かれたような与太話を鵜呑みにしたり、雰囲気だけでモノを選ぶのではなく、色々な情報を集め、自分自身で考え、自分に有利な選択が出来るようになって下さい。
そして、もし、ヤフーBBに乗り換えようと思うなら、どうかご近所の街角で頑張って街頭キャンペーンをやっている人達の所へ行ってあげて下さい。だらだら雑談しているようなブースは契約が何件か取れている場合が多いので、そういう所には行ってあげなくてもよいですが。


如何だったでしょうか?ヤフーBB隊の憂鬱。
最後の言いたい事の部分がヤフーBB大絶賛になっている気もしなくもないですが、特に嘘や間違った事を言っている訳ではなく、これは事実のようです。
ただ、ここに書かれた事は事実である事は確かだけれども、事実の一部分でしかないという事も言えます。皆さんは商品を選ぶ時、イメージや偏見(ヤフーBBの街頭での勧誘方法自体が偏見を生んでいるような気もしないでもないですが)、他人の意見に惑わされる事無く正しい判断が出来ているのでしょうか?少々考えてみるのも面白いかもしれません。




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