ナレーション・ナレーターというお仕事
〜 ナレーターさんも大変です 〜


現在ブームを巻き起こしているフジTV系列のバラエティ番組『トリビアの泉』。日経エンタテイメント11月号によれば、これまでは『ガチンコ!』のように「CMの後、とんでもないことが!」と煽るものがほどんどだったバラエティのナレーションと違い、淡々と進行する同番組の大ヒットによりナレーションパターンに変化が見られるという。


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『トリビアの泉』のナレーター中江真司(なかえ・しんじ)さん
青ニプロダクションHPより。この道46年の大ベテランだそうである。

中江真司さんと言えば、読者の世代の方々に思い出されるのはやはり『仮面ライダー』のナレーションではないだろうか。
おなじみ「仮面ライダーこと本郷猛は…」のフレーズ。とんねるずのパロディ『仮面ノリダー』でも同じように声をあてていたのも印象的だった。その中江さんが、G−ショックのトリビアの時など、あくまで淡々と「ABCの歌」のワンフレーズごとに「しょっく」と声を挟むなどの演出で笑いを誘う。
ちなみに、番組の内容をまとめた本もベストセラーになっている『トリビアの泉』。書店ではブームに便乗しようとばかりに、この番組のスーパーバイザー・唐沢俊一の著書の数々には「トリビアのスーパーバーザーとして活躍中!」といった帯がついて売られている。中には「エロビアの泉」とかいうどう考えても既存の性の雑学本のタイトルだけ変えて出版したとしか思えないような本も…。


閑話休題。


日経エンタテイメントでは、“日本で一番ひっぱりだこのバラエティ番組ナレーターは誰?”ということで
「バラエティ番組のナレーター担当数ランキング※」

(※9月上旬の時点で民放キー局の19〜24時に放送されていた情報・バラエティ番組を対象(単発・アニメやニュースは除く)に、テロップで名前を確認できた数を集計。9月で終了した番組も含む)

なるものを発表していた(以下、敬称略)。

3本 掛川裕彦(世界まる見え!テレビ特捜部等)佐藤賢治(ロンドンハーツ等) 垂木勉(ガチンコ!等)
4本 奥田民義(恋のから騒ぎ等) 木村匡也(クイズ$ミリオネア等)杉本るみ(TVのチカラ等)森功至(速報!歌の大辞典等)
5本 武田広(チューボーですよ タモリ倶楽部等)

とランキングが続く中で、ダントツの一位だったのが

10本 真地勇志
2位の武田氏にダブルスコアである。


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ナレーター担当数ランキング ダントツ一位
真地勇志(まち・ゆうじ)さん
青ニプロダクションHPより

上記のランキングは19〜24時の番組を対象にしたもので、カウントされていない朝の主婦向け番組『こたえてちょーだい!』と夜の報道番組『ニュースJAPAN』(ともにフジ系)を加えるとレギュラーの数はなんと12本!
(他に、『ディスカバ!99』『ザ・ジャッジ』『中居正広の金スマ!』『あいのり』『発掘!あるある大辞典』など)
番組改変期の9月〜10月のこの時期、特番等でもひっぱりだこだったようで、朝から晩まで多忙を極めていたであろうことは想像に難くない。

声優とナレーション、その両方を行っている人も多い。
声優界の重鎮の柴田秀勝さんは、現在アニメの『NARUTO』の火影役などを演じている。それに加え、氷川きよしでおなじみテレビ朝日『旅の香り 時の遊び』では“爺”役で、また日テレ『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』での罰ゲーム時の重苦しい恐持ての雰囲気で、また日テレ『ザ・サンデー』では「週刊タカの目放送局〜」といった軽妙な語り口まで幅広いナレーションを行っている。


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柴田秀勝さん 青ニプロダクションHPより
「デギン・ザビ(機動戦士ガンダム)」「あしゅら男爵(マジンガーZ)」
「機械伯爵(銀河鉄道999)」「ミスターX(タイガーマスク)」
など、演じたアニメキャラは枚挙に暇がない

90年代に入ってナレーションを使うバラエティ番組が増えると、洋画やアニメではなく、テレビ番組を中心に活動する「バラエティ声優も確立されてきた。200人近くのナレーター・声優を抱え、プロを目指す人の養成所も持つ青ニプロダクションの海老原富盛氏は、「以前は養成所に入る大半の人がアニメの声優志望だったが、年々バラエティのナレーター志望者が増えている」と言う。(同誌より)

ということで、今後これまで以上に脚光を浴びそうなナレーターという職業。
読者のみなさんも、バラエティ番組などをご覧になる際「この声は誰なんだろう?」と注意してみては?


(参考・日経エンタテイメント11月号)



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