働く人の憂鬱シリーズ
〜 教師の憂鬱 〜


様々な業界で働く人がいます。ですが、その業界に身を置く者にしか解らない裏話も沢山あります。興味があっても解らない、「実情はどうなのだろう?」という不安や、質問にお応えするこのシリーズ。今回は、どんな方でも生涯で出会う事になる教師のお話です。いつも生徒に生徒の事で頭を悩まされている教師(それだけでは無いですが)。どんなお話が聞けるのでしょう?それではインタビュー開始です!



―――この仕事をなさろうとしたきっかけは?
Eさん:自分自身がイヤな学校生活を送ったので、それを取り返そうという想いと、自分と同じような想いをする人間が一人でも減らせればと思ったからです。
Fさん:物心ついたときには教員になりたいと思い込んでいました。記憶をたどると中学校の時の担任に「教員に向いているんじゃないか?」と、何気なく言われた一言のようなきがします。まぁ多分向こうは覚えてないでしょうけどね。

―――このご職業の魅力は?
Eさん:教師は「ものを教える仕事」ではなく「人間をつくる仕事」だと思っています。そういう意味では生徒達が人間的に成長していく過程を見る事が一番の喜びです。他には生徒達と心がかよったと思える瞬間があることでしょうか。
Fさん:“児童、生徒の人格形成に寄与できる”というのが一番だと思います。こちらが本気になって取り組めば向こうも本気になって返してくれる。手を抜こうと思えばどこまででも抜ける反面、手をかけようと思えば、どこまででもできてしまうといった感があります。

―――教師になろうと思っている人に知っておいて貰いたい事は?
Eさん:この仕事は手を抜こうと思うと際限なく楽ができます。逆に本気でやろうと思うといくら時間があっても足りません。かといって、理想に燃えていると、現実とのギャップに苦しむでしょう。その辺りの加減が難しいですね。
それから、生徒達に過大な期待をしてはいけません。学校のレベルや個人差はありますが彼らは目的意識がなく、何となく学校にいるのでやる気にかけます。それをいかに前向きにしていくかが腕の見せ所です。

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―――実際仕事をしてみて、内情はどんなものでしたか?
Eさん:はっきり言って上は腐っていることが多いです。今現場にいる40-50代辺りの先生方は所謂「でもしか教員」(一般企業に就職できなくて「教師でも」「教師しか」といって教師になった)が多いんです。そういった人たちはやる気がないので邪魔です。そのくせ発言力があったりするのでやっかいです。さらに教頭、校長といった管理職にそういう人間がいると学校自体が駄目になります。
教頭はいい人が多いんですが、校長になると途端に駄目になる人もいます。教頭は激職なので、そこでやる気をすべて使い果たしてしまうという話もあります。
Fさん:授業がメインの仕事のようなイメージがありますが、高校だと授業の占める割合は1割〜2割程度です。あとは部活動とか生徒指導、行事の打ち合わせ、教材研究などで時間をとられてしまいます。
また、教員を目指す人はたいていはそれなりの進学校で学生生活を送った人が大半だと思いますが、学校によっては自分の高校生のときと比べると信じられないようなことがたくさんあります。私が今生徒に教えているのは平方根です。4-7=10と真顔で答えられたりなんてこともざらです。※だいたい入試で500点満点で100から150点の生徒が集まっています。高校で九九を・・・という話はよく聞きますが、九九はモチロンのこと、引き算も怪しいです。
それから部活動ですけど、ウチの県は4時間以上勤務して600円/日の支給です。しかも事前に申告しておかなければ貰えません。結果みんな申請せずに部活を指導しているという結果になっています。実際ガソリン代にもなりません。

―――教師を目指すなら知っておいた方が良い事は?
Eさん:今現在、教員採用試験は倍率が高く狭き門ですが、あと数年するとごっそり退職者がでるのでそれまで、がんばりましょう。教育委員会や校長に知り合いがいるならその辺のコネを最大限活用するのも手です。
社会科は免許を取れる学科が多く、特に倍率が高いのでがんばってください。最近は一般企業での勤務経験があると有利だといわれています。しばらくそっちでがんばるのも有意義です。
後は自分の出身大学が強い都道府県はどこなのか調べておきましょう。学閥があるので、しっかり調べておかないと何年たっても合格できない、なんて事になることもあります。
Fさん:そうですね。多分教員志望する人って自分が生徒のときに何かきっかけになる良い事があったからだと思うんです。でも、みんながみんな学校に良い思い出を持っているわけじゃないですよね。そういう人たちを相手にするということです。
それから上記にも書きましたが私は未だに高校で小学生レベルの内容を教えていることに矛盾を感じながら日々授業をしています。中にはそんなことわかっているよ、という生徒ももちろん居ます。全体の中のどのレベルに標準を合わせて授業をするか・・・。考えると胃が痛くなりますよ。全体が正規分布でない場合(両極端など)、平均的な授業をするとどの層にも焦点が合っていない授業になります。
それから講師はしておいたほうがいいと思います。塾で仕事しながらだと生活は安定しますけどコネが作れません。しかも時間帯が学校とは全然違うし、塾はレベル的にだいたい同じ子がクラスを作るし、何よりも勉強しようという意思が多少は有る子なので学校とは全然違います。勉強だけ教えたい人には塾が向いているでしょうね。わずらわしいこともないですし。あ、でも塾の講師もしていましたけどあれ、アンケートとかあって分かりにくいと持ち時間減らされますから、直接収入減になります。ホステスさんみたいなものでしょうか?学校で講師をしていれば情報交換もできるし、校長、教頭によっては面接指導までしてくれたり、周りも試験が近づくと気を使ってくれます。塾だとそんなこと関係なしだし、教員採用試験受けるというといい顔されません。私は私立辞めて公立受け直したんですけど、管理職とは戦争でしたよ。
校長 「・・・なんだね、コレは?」
Fさん「公立の二次試験用の人物証明書です」
校長 「これを私に書けと?」
Fさん「はい、お願いします」
校長 「で、君は受かったらどうするんだい?」
Fさん「・・・」
校長 「で、君は落ちたらどうするんだい?」
Fさん「・・・」
校長 「受かったら辞めて、駄目だったら来年も世話になろうってのか?それはないだろう?うん?」
Fさん「・・・(T_T)合否に関係なく辞めますから書いてください」

ってな感じでした(T_T)

―――結構行われているけど、一般の人には内緒(秘密)の事ってありますか?
Eさん:上にも書きましたが、教員の採用は未だにコネが幅をきかせています。ひどいのになると、教育実習で授業崩壊を起こして使い物にならないと判断された人間が、ある校長の子供だということであっさり採用されたなんて事まであります。
後は生徒との交際でしょうか。やっちゃうのもいますし、プラトニックな関係で続ける人もいます。教師って世界が狭いので、新しい出会いは同僚か生徒しかないんです。で、年上に憧れる生徒に告白されて卒業と同時に結婚というパターンも。長続きしない事も多いそうですが。
Fさん:生徒が居ないと休みなの?とよく言われますけど、そんな事はありません。授業が無いことは確かですが、それ以外にも仕事はあります。だから職場には行かなければ行けません。いかなければ当然職務規定違反です。
…とはいえ教材の買出し〜直帰なんていうのは長期休業中にはそこそこありますかね。ただし最近は各方面がうるさいので自粛傾向にはあるみたいです。あ、それと部活さえなければ生徒の長期休業中は有給は使い放題といっても、過言ではないですね。旅行好きなどには良いかもしれません。
それから数少ない性別による格差(給与面など)が少ない職場といえるのかもしれません。


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 ▲こんな先生はイヤだ…


―――笑い話とか、苦労話とか有ったら教えて下さい。
Eさん:ある女子生徒に告白されて、どうやって断ろうか考えたあげく、「自分はEDなんだ」と言ったらあっという間に学校中に広まってしまった可哀想な人を見たことがあります。タフな人だったので自分でネタにしていましたけどね。
内申書などを書くときには良い点を挙げていくものですが、どう考えても褒められないような生徒の場合は頭をひねります。一番困るのは可もなく不可もなく、といった生徒です。何も書くことがない。一番苦労するのは保護者との関係ですね。学校を「何でもやってくれるところ」と勘違いしている人がいて、そういった人と面談する場合は気が重いです。
小学校の教員だと、年休とって近所のスーパーに買い物に行ったら保護者に見られて学校に連絡が行き、「仕事中に買い物をするとは何事だ」とクレームが付いたりだとか。

―――その他、言いたい事があったら是非
Eさん:最近は教師の不祥事が続いて世間の目が厳しくなってきて、「教師は楽をしている」とか言ってる人がいますが、そういう人は是非教師をやってみてください。真面目に1ヶ月もやれば気が変わると思います。確かに勤務時間は公務員ですからある程度決まっていますが、相手は言葉の通じない宇宙人です。そういった連中と一日の大半を過ごさなければならないのですから、ストレスは大変ですよ。私は一般企業にいた頃、月400時間働いて給料20万以下という状況でしたが、ストレスという点では似たようなものです。体力的には楽ですが、精神的にはむしろきついくらいです。
一部の不届きな教師がいるのは事実ですが、それで全体を評価されるのはつらいですね。体罰なども話題になりますが、気持ちはわかります。肯定するわけではありませんが、何しろ言葉が通じないんです。話してわからないなら体に教えてやる、という気になってしまう事もあります。
教師は聖職だと言われますが、いったい誰がこんな事言い出したんでしょうか。教師だって普通の人間なんですよ。羽目を外したいときだってあります。周囲のプレッシャーがかえって追いつめている部分もあるんじゃないでしょうか。
Fさん:私、時間割編成の係りをしているんですけど、休んだ先生の時間割変更とかで、いきなり朝学校に着くと「○○先生休みだから」とか言われるとかなり大変です。普通は自分に影響が出ないような時間帯で有給をとったりするものなんですが、「労働者の正当な権利」を主張して休んじゃう人いるんですよね。そうなると時間割係りに全部しわ寄せが来ます(T_T)そんな人は課題も用意していないし、空き時間になっている先生のところにいって頭下げて監督をお願いしたり授業変更をやりくりしたり・・・。生徒も落ち着かないしもう困っちゃいます。せっかく前の週に数時間かけて作ったのに前の日になって突然「出張」とか言われたり・・・。それまでの仕事が全部パーです。そんな常識を持ってない人もたくさんいます。
そもそも教員は小学校〜高校〜大学〜“教師”と、『社会』を経験していません。変な人、たくさん居ますよ〜(^^;)自動車ディーラーの友人とかも「教員が一番相手にしたくない。とても理不尽」とか言っていましたから。結構、業者さんにちやほやされて何でも無料とか格安とかっていう「自分だけは特別」見たいなへんな感覚持ってる奴、たくさんいます。



如何だったでしょうか?高校で、九九を教えているという話は初めて聞いたので、ビックリです。九九を教わるのは小学校2年生でしょう?高校になる数年間は、いったい何をしていたのでしょうか?(大汗)。私も、円周率が“3”になったと聞いた時は、かなり驚きましたが、それ以上の衝撃です。(因みに私(キム)は学生の頃、趣味で円周率を、小数点以下1000桁まで覚えた事がありました)
教師のお話は色々とお聞きしますが、本当に大変なのですねぇ。でも、いくら辛いからと言って、投げやりにはなって欲しくないです。先生にとっては、沢山いるうちの1人ですが、生徒にとっては唯一の先生なのですから…。
生意気言って、すみません。これからも頑張って、“先生”をして下さいね!応援しております。




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