〜 悲劇はくりかえされるのか 〜 あの猫殺しディルレヴァンガーの模倣犯が出現か!? と、いっても実際に猫をくびり殺す人間が出現したという話ではない。現在、上野の森美術館にて行われている「第16回 日本の自然を描く展」にて、彫刻の森美術館賞を受賞した作品、「ディルレヴァンガーの虚像と悪戯」が猫虐待画像そのままであるということで一部掲示板(もち2ちゃんねる)で騒がれているのである。 問題の発端は上野の森美術館HP内にある今回の展覧会の受賞作品紹介ページ(現在消滅。Googleキャッシュ)において問題の作品が紹介されていたのを一部掲示板(だから2ちゃんねる)住人が発見したことであり、これはあまりにそのまま過ぎるだろう、審査員はディルのことを知っていたのかということが問題になった。 以下がその問題の作品である。 諸般の事情により軽くモザイクをかけております。右は消滅した作品紹介ページにあった画像 (ディル撮影元画像 ※注!!かなり残酷な画像です ディル自身の画像) 元画像を見ればわかると思われるが、少なくとも猫画像はまったくそのままである。下の部分に見える顔はデフォルメが多少効いているがディルであろう。 この事について、関係者の方にお話をうかがってきた。 ――今回、この作品について元々ある画像をそのまま書き写しただけでは、という指摘があるが審査員は元となる画像があることを知っていたのか? (審査員は)元にした画像があることを知らなかった。指摘を受けてから色々捜し元の画像を見つけたので、その後作者本人に問い合わせてみたら、確かにこの画像を見たことがあると言っていた。すでにこの件について抗議の電話が数件あり、中でも一人すごく粘着体質の人がいてずっと受賞を取り下げろと言い続けてきている。 ――抗議の内容としてはどのようなものか 残酷な事件を思い起こさせる、あの事件の象徴のような画像を書き写した作品を受賞させるとは何事だというのが多い。 しかし、8月5日から現在(15日)までの間に、およそ800〜1000人、ここを訪れているが、1人としてあの絵は残酷だから問題があるのではないかという指摘を受けたことはない。審査員の中にも猫を飼っている人や好きな人はいるが、誰もアレをみて猫を殺しましょうと感じたりはしなかった。あの絵が残酷だというが、そもそも芸術とは時に残酷なもので、人の死を、首がちぎれている等の表現はいくらでもある(から、だだ残酷な絵であるというだけの批判はナンセンスだ)。 また、あくまでごく一部の人間しか(ディルのことを)知らない。 ――あまりにそのままであるので、盗作であるなどの声も聞かれるが? あくまでモチーフ。絵画の世界ではよくあること、例えばあの作品(実際の新聞や煙草の空き箱を使い制作してある)でマルボロの箱がそのまま使用されているが、誰もそれを著作権違反だとは訴えない。さらに元は画像であるのに対してこの作品は絵画になっている。また、元の画像も芸術作品というわけではない(おそらくディル自身訴えてこないだろうし)。それに下の部分が書き加えられている。 ――最後に。現在ある抗議を受けて受賞取り消しなどの処置はあるか? 今後、受賞取り消しはない。 とのことだった。 論調として、一般の人がほとんど知らない事件のことで抗議されてもというのがあった。 モチーフであると言われてしまえば、それまでのことなのだろう。しかし、審査員が元から画像の存在を知っていたとしたら、果たして受賞となっていたのかは、かなり疑わしいと言わざるを得ない。 ■上野の森美術館HP ■第16回 日本の自然を描く展 2003年8月5日(火)〜24日(日) 場所:上野の森美術館 入場料:500円
( 探偵ファイル )
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