萌えるお役所『佐賀県大和町役場』
〜 まほろちゃんの産みの親にインタビュー 〜



こんにちは皆さま。すっかりヲタクキャラが板に付いて来たキムです。本日もマニア心をくすぐるような記事をお送りしたいと思います。(「もうあの頃には帰れません…」キム遠くの空を見つめて)まずは何も言わず、こちらのイラストを見て下さい。

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名前は『まほろ』ちゃん。可愛いですよね(註1)。さて、この絵を描かれたのはどのような方だと思われます?漫画家?イラストレーター?同人屋?いいえ、違います。実はコレ、役場に勤めている現役の公務員さんが描かれたモノなのです!しかも、役場のHPのマスコット・キャラクターとして描かれたモノなのです!嘘だとお思いの方もいらっしゃると思います。そう思う方は、コレを見よ!
このイラストを使用されているのは、佐賀県大和町役場さんです。もともとは、ただのHPのマスコットとして描かれていたそうですが、某巨大掲示板群の読者に目を付けられた事から全てが変わったのです。「この萌えキャラが役場のHPで!?」。可愛いキャラと役場のHPという妙な組み合わせに、突然ブレイク!(一部のマニアの間ではありますが)それまであまり知られる事の無かった佐賀県の大和町は、一躍有名になったのです。

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     ▲まほろちゃんが生まれた「大和町役場」

九州取材行きが決定した瞬間に、元角煮住人(註2)のキムとしては放ってはおけません。この様な経緯が含まれる今回は、九州奮戦編ラストの第5弾になります。それではインタビューに移りたいと思います。インタビューを受けて下さったのは、HPの総責任者である山口さん(左)と、まほろちゃんの生みの親である糸山さんです。

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―――HPを開設する時にお考えになられていた事
山口さん:大和町というのは、肥前国府が在ったり、佐賀県で最大の前方後円墳があったりするとても歴史的に古いところなのです。悠久の時を超えて、子供達がこの町を誇りに思い、その故郷の誇りを胸に世界に飛び出して欲しいと言う願いを込めて作りました。その思いが、HPのTOPに表されているのです。

―――どうしてマスコットキャラにまほろちゃんを起用しようと思ったのですか?
山口さん:文字ばかりでは取っ付きにくいと思いましてね。大和町の子供達がインターネットの授業などをしていて、読みやすくしたいと考えて。先程の説明にもありましたが、歴史的に古い町・古来より代々続く誇りなどのイメージで作って欲しいと糸山君に依頼した所、あのキャラクターが出来上がって来たのです。名前は糸山君が「まほろばの里」から取って、“まほろ”としました。

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       ▲大和町の全景(キム撮影)

―――HPにまほろちゃんを載せた時に、こんなにネットで有名になると思いましたか?
糸山さん:以前からこのHPを更新して来ましたが、最初の1年間は1万ヒットする程度だったのです。だから、自分達も「なんで?」と思いましたね。
山口さん:知らない間にこうなっちゃったのです(笑)。最初はですね、イラストはTOPページだけで、クリックすると町長の顔がドーンと出るだけだったのです。暫くはそのままだったのですけど、「そろそろ(町長の顔だけってのは)いいだろう」って事になりまして、月一でイラストを載せるようになったのです。それが…セーラー服くらいの時かな?例の掲示板(註3)で取り上げられて、トントンと来てしまったのです。だから、最初は有名になるなんて全く思っていませんでした。

―――糸山さんがイラストを描くに到った理由を教えて下さい。
糸山さん:HP前からですね、イベントなどのイラストを描く事はあったのですが、元々は…
山口さん:私がですね、今のHPを作る前に電算室担当の職員をしていたのです。別部署の。その時にですね、たまたま私の所に来ていた糸山君が、お絵かきソフトに普通のマウスだけで、“サラサラサラ〜”って絵を描いたのです。それを見て、「適当に描く割には上手いね。それだったら、今度絵を描いてみないか」って事になって…
糸山さん:それからちょくちょく描くようになりまして
山口さん:HPを作る事になった時に人選は任されていたので、そこで糸山君をメンバーに加えたのが始まりです。

―――たまたま山口さんの所に来て、たまたま絵を描いたからと?…全ては偶然から?
山口さん糸山さん「偶然からです!(笑)」

―――イラストに使用している機材を教えて下さい。
糸山さん:昔は、「ペインター」。現在は「フォトショップ・エレメント」。それに、「ワコム」のペンタブレットで描いています。特に変わったソフトは使用しておりません。

―――今までで1番楽しかった事は?
山口さん:楽しかった事より、苦しかった事の方が多いのですが(苦笑)。そうですね、「みこと」ちゃんの名前を募集して、沢山応募があった時は楽しかったですね。
糸山さん:私はですねぇ…、色々と応援メールを頂いた事ですかね。人気が出て、沢山の人に見て貰えるようになってから、「頑張って下さい」という励ましのメールを全国からいっぱい貰うようになったのです。それが楽しくもあり、嬉しかったですね。

―――今までで1番困った事は?
山口さん:東京とかと(ネット環境の)レベルの違いだと思うのですが、ここまで有名になったのに、同じ役場の職員の中に大和町HPの存在を知らない人が居たって事ですかね?(苦笑)最近になってようやく知ってもらったって感じです。遅いんですよね〜。
糸山さん:ネットで取り上げられたスピードと、地元の人が知るスピードに大きな差がありますね(苦笑)
山口さん:今頃になって、「ああ、まほろちゃんって人気があるんだなぁ」って言っているくらいですから(苦笑)それと、私が選挙管理委員会で、糸山君が「広報やまと」担当というのが本当の仕事なのです。HPはだから、本当の仕事とは別なモノなのです。このHPの仕事は、“本職+α”の“α”の部分なのです。イラストレーターならまだしも、彼はただの地方自治体の広報担当者なんですよ。それなのに、有名になればなるほど、他の部署からの仕事の依頼が来る。断れればいいのですけど、そうもいかない。“+α”の部分がどんどん大きくなって、自分で自分の首を絞める事になってしまっているのです。それを調整する事も私の仕事のうちですね。

―――今までで1番印象に残った事は?
糸山さん:去年の7月くらいにあの掲示板で話題になって、HPが爆発的にアクセスを受けるようになったのですが、その時に仕事で出ていたのですよ。で、帰って来た時に、「おい!なんか、どエライ事になっているぞ!」って聞いて、見てみたら本当に凄い事になっていた時ですね(笑)

―――まほろちゃんが有名になり、大和町役場として変わった事は?
山口さん:糸山君の更新頻度が増えたくらいですかね?(笑)
糸山さん:やっぱり見ている人に喜んで貰えると嬉しいですからね。
山口さん:サービス精神旺盛なのですよ。人気が出た時も、「じゃあ、TOP画像を集めたギャラリーを作ろうか」って事になって、速攻で作っていましたからね。あと、HPで色々と懸賞などをやっているのですが、県外からの応募が沢山頂くようになりました。これだけ沢山の人が見てくれているのだと思うと嬉しくもあるのですが、1番見て欲しい大和町民の応募はほとんど無いのが悲しいですね(苦笑)。

―――グッズのお話も出ているようですが、そちらはどうなっているのでしょうか?
山口さん:グッズですねぇ、官公庁ってのは難しいのですよ。手数料・様々な規定・著作権・商標登録など問題は山積みなのです。糸山君が権利を放棄する事から始めなければならないし。細かい事を言い始めると長くなってしまいますね。
(キム註:実際に問題点などをお話頂きましたが、割愛させて頂きます)
山口さん:取り合えず、何かは出そうと前向きに考えていますので、ファンの方は待っていて欲しいですね。強制的に進ませるので(笑)

―――大和町の素晴らしい所は?
・川上峡(「小京都」、「九州の嵐山」と呼ばれている所)
・巨石パーク
・肥前国府
・今山古戦場
・船塚古墳
・与止日女神社
ですね!


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    ▲与止日女神社               ▲巨石パーク 烏帽子石

―――某掲示板の存在はご存知でしたか?
山口さん:いいえ。全然、知らなかったです。知らなかったですけど、ここまで評判になると嫌でも情報は入って来ますので(笑)。そういうモノがある事は知りました。

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▲大和町のまほろちゃんについて報じた「佐賀新聞」。クリックすると拡大します。
 …しかし佐賀県は色んな意味で凄い所です(汗)


―――糸山さんは、まほろちゃんを描く以前に何かされていたのですか?
糸山さん:特には何もしていませんね…
山口さん:マニアですけどね!
糸山さん:そんなこと無いですよ〜(汗)。本当に漫画とかアニメとかは観ないので…。美術を少し習った事はありますが、趣味でイラストを描く程度でしたね。同人誌とかで描いた事はありませんよ。才能が無いので。以前、HPで4コマ漫画を描こうと思ったのですが、上手く行きませんでしたから(苦笑)

―――読者の皆さんに知っておいて貰いたい事は?
山口さん大和町は佐賀県にあります!(声を大にして)。有田焼や伊万里焼があるでしょう?あれはどうして佐賀焼にしなかったと言うと、佐賀県の人は、佐賀と言う言葉を使いたくないのですよ!佐賀という事を知られたくないのですよ!「出身地どこ?」と訊かれたら、「九州」と答える。佐賀とは言わない。佐賀の歌にもありますが、ちょっと卑屈な部分がありますね。だからこそ佐賀の人はもっと佐賀出身である事を誇りに思い、胸を張って欲しいのです。以前、「サガってどこ?京都?」と言われた事があります。このマイナーさを払拭したい!山口さん熱く語る
こっそりと糸山さん:歌でネタになるくらいの所ですから…

―――最後に一言
このHPをきっかけに大和町を好きになって頂けると嬉しいです。佐賀県の大和町を宜しくお願いします!
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以上です。お忙しい中、取材に応じて頂きました山口さんと糸山さんありがとうございました。今回の記事は如何だったでしょうか?佐賀県大和町を世に広く知らしめるという野望に燃える公務員さんのお話でした。皆さんにも佐賀県、特に大和町の事を知って頂きたいなと思います。これからも、HP頑張って下さいね!

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応募はキムまで → kim@tanteifile.com


註1:山木さん曰く「冒頭で、可愛いって言ってる記事ってどうよ?」
   大住曰く「キムはロリコンでもある!〜民明書房より〜」
   大住更に曰く「お前の名前は精子で十分じゃ!」
註2:角煮住人…「半角二次元板の常連」の意
註3:言わずもがな、『2ちゃんねる』の事

● 佐賀県大和町役場HP





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