決戦は富士山麓!
〜 モグラの世界の熾烈な戦い 〜


麗らかな季節になりましたね。 皆様はいかがお過ごしでしょうか? 読者から、「金髪が似合わない」と言われて(´・ω・`)ショボーンとしているキムです(泣)。 今回は一風変わった動物のお話をしたいと思います。
皆さん、“モグラ”はご存じですよね? そう。地中に住み、畑にこんもりと塚を作り、漢字で書くと『土竜』といういかつい字になるモグラです。 このモグラなのですが、私たちの知らぬ地中で日本を二分する壮絶な戦いを繰り広げているのです。 それが東軍の『アズマモグラ』西軍の『コウベモグラ』です!
では、流れを物語形式でお送りしたいと思います。
 

その昔、日本は『アズマモグラ』という種族によって統一されていました。 日本に数種類存在するモグラの中で君臨するアズマモグラでしたが、温厚な性格と他の種族との棲み分けもなされていた事から地中の世界は平和そのものでした。 …しかし、その平和も長くは続かなかったのです!
突如として大陸から上陸した新たな種族に、モグラの世界は未曾有の戦国時代へと突入したからです。 その名も『コウベモグラ』(註:最初に名付けた人が神戸のモグラを元にしたのでこの名がついたそうです)
九州に上陸し、橋頭堡を築いたコウベモグラは電撃作戦とも言えるスピードで各地へ進軍を始めました。 では、各軍をデータで見てみましょう。

    写真1
    アズマモグラ
      体長 121〜159mm
      体重 48〜127g
      性格 温厚
      力  弱い
    VS 写真2
    コウベモグラ
      体長 125〜185mm
      体重 48〜175g
      性格 凶暴
      力  強い

見た目も、食べる物も非常に類似しています。 しかし、コウベモグラの方が一回り大きめで、力もアズマモグラよりあります。 更に言うならコウベモグラの方が凶暴!

戦力が勝るコウベモグラ軍の進撃に耐えきれず、迎撃もままならないままアズマモグラ王国は、後退を続けました。 そして、勢いに乗ったコウベモグラ軍は占領地を広げて行ったのです。 アズマモグラの勢力はどんどん追い込まれ、九州地方、中国地方と次々に陥落。 四国でも水際での迎撃作戦を展開しましたが…敢え無く殲滅。 遂に西側は完全にコウベモグラによって駆逐されてしまったのです。 アズマモグラ西軍全滅!
一方、アズマモグラ東軍。撤退を余儀なくされたアズマモグラは関東へと逃れます。 ここで異変が生じました。 西と東を分割するラインに飛騨山脈・木曽山脈・明石山脈、そして富士山がそびえているのですが、このポイントに到ってコウベモグラの進軍はストップしたのです。 そう!強力に見えたコウベモグラにも唯一の弱点があったのです。 それが、“山地・高地が苦手”“岩盤の強いところ(溶岩地帯)に弱い”というものでした。 戦線は箱根付近にて膠着状態に入り、モグラの分布図も落ち着くかと思われました…。


写真3
▲現在の勢力図。大まかなものとなっています。


ところが、長い休戦状態が打ち破る出来事が起こりました。


写真4
▲富士山麓の戦い。


コウベモグラは明石山脈と富士山の間隙を付き、山梨県側からの富士山迂回という大胆かつダイナミックな作戦を打ち出して来たのです!
コウベモグラのこの作戦が成功すれば、勢力図はまた大きく変わる事になります。 アズマモグラにとっても、この戦いは種族の存亡を賭けた大事な一戦となるでしょう。 正に、決戦は富士山麓!
こうしている現在も地中でモグラは戦い続けています。生き残る為に!
 

モグラの世界のお話はいかがだったでしょうか? 普段、目にする事の無い動物界の事情もなかなか波乱に満ちたものとなっております。 もしかしたら、富士の決戦に勝利したコウベモグラが日本を席巻し、近い将来、“日本のモグラの分布図”として一色に染め上げてしまうかもしれませんね。 これからのモグラの世界は目が離せません!
探偵ファイル・キムは負けちゃいそうなアズマモグラを応援しています。

(註:内容は分かり易くする為、アズマモグラとコウベモグラの学名の争いや、人間の乱開発による影響などは割愛しました。ご了承下さい)





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