謎の白装束集団パナウェーブを追え!


今年のゴールデンウィークに日本列島を舞ったのは色鮮やかな布の鯉のぼりではなく、白い布に身を包んだ奇妙な集団の話題であった。

4月25日ごろから約一週間に渡り「パナウェーブ研究所」を名乗る団体が岐阜県大和町・八幡町境の林道に車両十数台を停車させ白装束の人間40人程が占拠し、ガードレールや立木などを白い布で覆っている問題について、探偵ファイルは調査に向かいました。

平成15年5月1日
八幡町方面は林道を登って行くと、まず最初に団体の偵察車両とも言えるワゴンが2台停車しており、さらにそこから500m程上がった場所が彼らの居座っている地点になっており、団体とマスコミの間に警察が立つというポジションが完璧に形成されている。血の気の多い連中が多いとは聞いていましたが・・・


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しきりに報道陣や警官そして通行する一般者をビデオやカメラで撮影する団体員、通行車両ナンバーも控えていたようである。


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午前11時
地元役場職員が「衛生管理の確認」の為、パナウェーブ研究所に対し事情聴取を行う。
団体側は「ゴミは分別し生ゴミ等は山中に捨てている」と回答、しかし山中どこに埋めたなどの詳しい説明については話されなかった。

その後、報道陣と団体の度重なる衝突により、警察が安全面から報道陣を偵察車の位置まで後退させる。これにより団体本体の動向が一切掴めない状況となった。


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午後1時
地元住民代表数名が団体との直接交渉に赴く、その際マスコミに対し「団体が現れた翌日には警察に通報したが警察の対応は遅すぎる」「おまけに毎晩ヤジ馬や暴走族が出没し睡眠不足だ」と憤りを露にした。
その後、彼らは警察官に先導され団体との話し合いに向かう。
30分後、話し合いの終わった住民にインタビューした所、団体の答え以前と同じ「3日までには必ずに退去する」というもので進展は無かった模様。
最後に「それにしては退去準備をしている様子などは見受けられなかった」との意見を残し、その場を去っていった。


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午後2時
NTTの車を先頭に警察の捜査車両数台が数台
20分後、続いてパトカーが十台ほどが連続して報道陣の前を過ぎパナウェーブキャンプへと上っていく。
林道反対の大和町方面からもパトカー20台以上が投入され、これにより動員された警官は総勢300人近い大人数になる。
広報担当の会見によると道路交通法違反容疑の捜査との事
この捜査によりこれまで可能だった地元住民の車による林道通行も一切規制され、麓からは警察車両以外入れない様に完全シャットアウト


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町が管理する林道の為、これまでは手を出さずにいた岐阜県警だが、どうやらこの慌しい捜査の裏には、この日警察庁から全国の警察署にパナウェーブに対する厳正対処と情報収集の強化を指示が通達されたという真実があったようだ。

報道陣も再び朝の位置までの前進を許されたので進んでみると、遠くから見ていても話し合いが難航しているのは一目で判る状況であり、どうやら警官が運転手の出頭を求めているが、団体側が断固としてそれに応じない構えだ。


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3時30分
偵察車両に居たパナウェーブ研究所、長谷川代表が事情聴取の為、捜査員に連れられ本体へと向かう。

その後、退去の話がまとまったのか白装束の団体員達がテントから食料を移動させたり、車からの出入りが激しくなるなど、急に周囲が慌しく動き始める。


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彼らの目を盗みテント内部の撮影に成功したが、その内部は想像を絶するモノだった。所狭しと並べられるゴミと一緒に食品や中身が不明の発泡スチロールが無造作に置かれ、イヤな匂いが終始鼻を突く。
この日は5月陽気も手伝って立っているだけで汗ばむ気温だったのだが、午前中役場の人間が衛生調査に来た時に何を調べたのか疑問が残るばかりだ。

団体からの「移動したいが病人の体調が悪い為、上空を飛行しているヘリコプターを移動して欲しい」との要請が警察を通して報道各社に伝えられる。
しかしその後ヘリコプターが移動する事はなかった、聞き耳を立てれば各社ともカーチェイスという最高の結末を期待しているようだ。
「麓で待機!」「反対の道で張っていろ!」「エンジン回しておけ!」怒声が現場の雰囲気も刻一刻と迫る“その時”に近づくにつれどんどんエスカレートしてゆくのがわかります。


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午後6時50分
ついにその時は来た!いったん大和町側に抜けた車両がUターンし、我々の前を通過して行きます。約1週間に渡り「パナウェーブ研究所」が今、この山中を後にしようといている。

パトカーが団体車両の前後を囲む形でその後にマスコミ車両が100台以上続く光景はまさに圧巻の一言であった。行き交う民家の住民がみな軒先へ出、この異様な光景を複雑な気持ちで見送っている姿がとても印象的だった。

その後、集団は何度も停止したり、街中で報道陣をあざ笑うかの如く徘徊した後、最終的に彼らは岐阜県清見村の国道472号線沿いに十数台の車両を停車させ白い布で車を覆うなどしている、警察に対しては重病人の容態が悪くなったなどと答えている。「最終的に山梨に向かう」と明言している

(5月2日AM9:00 現在)



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今回の取材で個人的に非情に気になった物がコレである。
ふと見ると道路脇の白い布の下に隠される様にして「大量のロックアイス」が放置されていた。しかもその量たるや尋常ではない。
しかも全ての袋が開封はされていないのに中の氷は全て溶けており、飲料用に使用された形跡はない。

パナウェーブでは過去にもメンバーの死亡届け出が遅れるなどの事件も起こっており
彼らが重いガンだとひた隠しにする女性教祖(69)の姿も10年余り公にされていない。
なぜ大量の氷が必要なのか・・・なぜ人目を避け全国を徘徊するのか・・・
今、それを知るのは彼等だけである。

引き続き、我々も、パナウェーブの動向を追っていこうと思う。





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