ペットブームの陰に… その2

〜 ペットショップの実態 〜



前回、ペットブームの陰で、安易な気持ちでペットを飼う、もしくは“買う”ケースが増えているというレポートをいたしました。 しかし昨今は飼う(買う)側だけでなく、売る側もいろいろと問題点を抱えているようです。
例えば、売る側の知識が乏しいケース。
チェーン展開する大手のペットショップなどでは、売り子がアルバイトでろくな知識もないままお客に売るケースなどもあるとか。

ペットショップ関係者の話によると...

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「例えば、アパート住まいの夫婦(子供2人)に平気で大型犬のグレートデンの子犬を勧めたりする。どう考えても、その後の犬と子供の成長度合いを考えたら飼っていくのは困難になるはずなんです。そういう考えとかが全くなく、ただ“そこに入荷している犬を売ればいい”というような店が最近は特に多いような気がします。」
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「今、CM効果でチワワが人気だからと、チワワを仕入れては売りさばき、通常よりも高い値段…いってみれば“ぼったくり価格”で商売しているところが多いですね。まあ、ブームといえばそんなものかもしれませんが…。ただ、チワワだといわれて飼ってみたら実は雑種で、“チワワなのに中型犬よりも大きくなってしまった”などという笑えないケースも少なからずあるようです。そういういい加減なペットショップもあるんですよね。」
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写真2
とても小さいケージの中で売られているペット
(※画像のペットショップは本文とは関係ありません)

「疾病を持っているというのが分かっているのに、そのまま売りつけてしまうという業者もいます。また先天的な“奇形”を、“珍種”だと言って返って高い値段で売るというケースもあります。買った後しばらくしておかしいことに気付いても、情がうつっている場合が多いのでおいそれと“返品交換”ということにはならず、トラブルになるケースが多いんですね。」
(ちなみに、ペットショップでは“返品”を受け付けません。なぜなら、万が一売ったあとに何らかの病気等に感染していないとも限らないからだそうです)
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「あと、疾病で死んだ犬などを河原に埋めたこともあります。空気感染するような病気(パルボ、ジステンバー)だったので、非常に危険だとは思いましたが、経費削減という名目のもと命令されれば従わざるを得ませんでした。」
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子犬は生まれて数ヶ月で『売り物としての価値がなくなる』ということで、そのまま機械的に処分場へ…というケースもあるとか。
また、あまり成長させないように餌も死なない程度にギリギリだけ与えるそうです。


写真3
ケージの中の水入れに、水が入っていない場合も
(※画像のペットショップは本文とは関係ありません)


インタビューさせていただいたペットショップ関係者は...
「結局のところ、ペットショップがペット=生き物(命)を取り扱っているという自覚があるかどうかでしょう。大手ペットショップになると、金儲け第一主義に走るところが多い。」
ということでした。

写真1
▲不要犬ポスト
また、ペットショップとは少し話がそれますが、その関係者が教えてくださったことによると...
「北海道には“不要犬ポスト”というのがある」
ということ。

TVでも報道されたことがあるということでしたが、それは不要になった犬をそのポストに入れておくというもの。
大きい犬はそのポストにつないでおくらしいです。
そして、業者が“回収”に来て、処分されるということです。
宮崎にもあったが、そちらは数年前に抗議により撤収、それと引き換えにペットの「里親探し」を役所ですることにしたそうです。
関係者によると、北海道では未だにそのポストは存在しているとか。
帯広市でも、平成5年7月にこのポストは全廃したとの事です。

その他、ペットの躾をしてくれる店などもありますが、預かったペットをゲージに入れっぱなしで、餌と水をやる以外は散歩もなしということもあるらしいです。

当然、訓練などもしないので、躾が身に付く訳がないのですが、そのことで客からクレームがくると...
「うちはちゃんと躾ました。あなたのやり方が悪いんじゃないですか?」
などという、企業として考えられない対応をするそうです。
犬のみならずお客もあまり大切ではないようで。

この他、不潔な環境で飼うケースなど、まだまだ悲惨な実情があるのですが、全てにおいて共通してくるのは、上で取材させていただいた方もおっしゃっていますが「生命をとりあつかっている」という意識の欠如でしょう。 ペット=商品であり、ペット=生き物であるという大前提が忘れられているのが現状です。
前回の飼い主側のレポートでもそうでしたが、飼う方のみでなく売る側の方にも「ペットはモノでなく生き物である」ということを忘れずにいただきたいと思えてなりません。





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