ZAKZAK来たりて、抗議する



ネットユーザーでは当たり前のように使っている、ハイパーリンク(直リンク)
今更説明の必要なんて無いように思えますが、サイトの中に有る記事ないし、コラムに直接飛ばすことで、ネットでは、ごく普通に使われています。
私達、「探偵ファイル」でも、記事を作成する際に参考となるサイトや、引用をさせて頂いた記事にリンクを掛ける事は良く有りますので、皆さんも御存知のことでしょう。

ところが、その“ハイパーリンク”はけしからんと、ニュースサイトに警告メールを送ってくる方が最近います。 ・・・方ではありませんね、企業を名乗ってきていますから。

【警告】

産経新聞社の伊東と申します。
「○○」サイト管理者にお尋ねします。
同サイトで弊社が運営する産経WEB、ZAKZAK、サンスポcom
の見出し記事が数本転載されて、
各サイト内の記事へ直接リンクをはっていますが、
こうした行為は弊社にリンクの許可
をとったうえでおこなっているのでしょうか。
こちらでリンクを許可したという書面はみつかりません。

もし、無許可でかかる行為をされているならば、
著作権等の侵害にあたります。
即刻、記事掲載を中止してください。
誠意ある対応をお待ちしております。

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産経新聞社 デジタルメディア局
電子営業部企画担当次長
         伊東 繁

      電話03-3243-8369
      fax 03-3275-8862
      e-mail:s.itoh@sankei.co.jp

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その企業とは産経新聞です。産経新聞というより、ZAKZAKとサンスポCOMの方が、ネットユーザーには馴染み深いかもしれませんね。
上記のメールは、大手ニュースサイト「連邦」へ来たものですが、他のニュースサイトにも着ており、メール内容は全く一緒なので、この伊東次長なる人物がニュースサイトに向けて送信したコピペだと思われます。
この伊東次長とのやり取りは、連邦に掲載されていますので、そちらを参考になさってください。

記事最後のクレジットが産経新聞社デジタルメディア局となっていますし、一番最初に産経新聞の伊東と名乗っているので、産経新聞を代表して言ってきていることは明白なのですが、この人物、言っている事が極端なところがあり、ニュースサイトであれば見過ごせないことになりつつなっていますので、上記のメールを引用しながら、見解を書こうと思います。



ぐだぐだ書いてもしょうがないので、簡潔に書きます。



何故、見過ごせないのかというと、この産経新聞社の伊東氏が言ってきている事は、ネット全てを否定することに繋がるからです。

何を大げさなと思われるかもしれません。ですが、伊東氏が言ってきている事は、「許可を得ない直リンクをするな」という事に繋がります。 それって、ネットを否定することですよね?
サイトを作っている皆さんは、記事をリンクをする時は必ずトップページにしろと言ってきたらばどう思いますか? トップページと記事直リンクを両方載せますか? その場合も、相手に事前許可を得るようにと言うことなのですが・・。

http://www.sankei.co.jp/pr/copy/001006tyosaku_01.html
こちらに主張の根幹となっている産経新聞社の見解がありますが、本来ネットとは自由なものであり、リンクをするなと言われたからと言って、必ずしも従う必要はありません。



何故か?



現在、日本国内の法律において、

「ネットにて、許可を得ない直リンクをしてはならない」

という文はありません。



ネットにおいては、“駄目だ”と言っているところにリンクを貼ったとして、警告に従わなかったとしても、それを取り締まる法律はなく、また、罰則も存在しません。

つまり、上記にある見解は、『オレ様法律』であり、なんの拘束力も法的権限も持っていないのです。

要するに、「リンクしたいなら申請書を上げなさい」と居丈高な警告メールを送ってきてはいますが、あくまでもお願いの範疇ということですね。
以上が、当方の法律的な見解でありますので、私達はニュースウォッチに掲載するニュースは直リンクしますし、申請書もあげません。


蛇足ですが、この産経新聞社の伊東氏は、人間的に如何なものかと思う人物なようですね。連邦内のニュースを読んでもらうと解るのですが、仮にも企業の次長たる人物が電話でユーザーを「あんた」呼ばわりしたり、「暇だから電話をかけてるんだろ?」とか言ってみたり、応答のやり取りの際のメールに2行のメールを出してみたり・・・。
本当に、こんな方が担当者で大丈夫なんでしょうか? 他人事ながら、ちょっと心配になってきてしまうのですが・・。 産経新聞さん、ほんと大丈夫ですか??

そうそう、何ヶ月か前に、私達「探偵ファイル」にもZAKZAKから、「直リンクはするな」といく趣旨のメールを頂いたことがありました。

その時は、
「引用です。引用を駄目だと言うのであれば、それが駄目だという法的根拠を示して欲しい」
という返信を送ったら、それっきりでした。この模様は、近く正義@星に載ると思いますが。

ともかく、ネットにおいては「法的根拠において駄目だ」と言われない限り、直リンクを止める必要はありませんので、皆さんもご参考にしておいてください。


探偵ファイル




(参考HP)
リンクに許可は不要です(奥村晴彦松阪大学教授)
http://www.matsusaka-u.ac.jp/~okumura/link.html

リンクは自由である!印刷媒体での言及も自由である!引用は公正な慣行に従って!無断複製は違法である!
(東北大学大学院文学研究科言語学講座 後藤斉助教授)
http://www.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/webpolicy.html

「リンクを張る際には当方に申し出てください」とか、「リンクを張るには当方の許諾が必要です」などの文言が付されている場合がありますが、このような文言は法律的には意味のないものと考えて差し支えありません。(社団法人著作権情報センター)
http://www.cric.or.jp/qa/multimedia/multi15_qa.html

JPNIC1997年12月17日開催の講演資料
無断でリンクを張っても原則としてリンク先の著作権を侵害することにはならない(近畿大学[産業法律研究所]講師 弁護士 岡村久道)
http://www.law.co.jp/jpnic/tsld019.htm





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