タダで高速道路を通過できる?

〜 話題の『フリーウェイクラブ』に直撃取材 〜



高速道路料金の不払走行によって、有料道路行政に抗議する『フリーウェイクラブ』という団体がある。
◆『フリーウェイクラブ』ホームページ◆ http://members.tripod.co.jp/freewayclub/

会員になるのは簡単。指定された口座に、会費一万円を振り込み、無料通行宣言書を入手。
これを通行時に掲示すれば、一切料金を支払わなくても、大丈夫!・・・というもの。
現在は、同クラブ以外の会員も合わせれば、無料通行者は全国で1万人を超えるという。

写真1
フリーウェイクラブ会長の和合秀典氏
そもそも、このクラブは首都高の値上げに納得せず、それに応じない姿勢を示したことがきっかけで設立された。
500円から600円に値上げされた首都高速道路を、和合会長が名刺に500円を添えて旧料金で通過したことから、首都高500円通行が始まり、1988年1月に30人で同クラブはスタートしている。
以来、値上げ分の支払いを拒否し続け、2001年からついに無料通行を実施している。 このクラブの会長である和合秀典氏に、直接インタビューを試みた。 会ってみると、気さくそうな方だ。

実際に無料通行などできるのだろうか?といぶかしげな調査員に、 「実際にお見せしましょう」と和合氏。
首都高と外環を往復し、計6つの料金所を無料通行宣言書で通過
するところを見せてもらう事になった。


写真2
我々の前にいた車は料金を支払っている
写真3
和合会長は「無料通行宣言書」
を係員に渡し・・・
写真4
じゃあ!と手を上げ、
無事通過した(笑)


料金所の係員は別に慌てる様子もなく、すんなり通過できた。 ほ、ほんとに通過できるんだ・・・。
この宣言書には、自分の氏名、住所、電話番号、それに通行料金を払わない理由を明確に提示している。
これはフリーウェイクラブと公団側の民事事件であって、警察は民事不介入だという。

途中で見かけたETCについては、「ウチらを潰す為にやってると思った(笑)まず普及しないだろう。」と余裕の表情。 和合会長が不払いを始めた当初、世間から冷ややかな目を向けられ、料金所での小競り合いや脅しも頻繁に受けた。 それにも決して屈することなく現在まで続けてきた。

その根底にある理由としては...
「道路とは本来、税金(ガソリン税、重量税)で造るものであるはず。なのに、公団側の経営努力が全く見えず、さらに、値上げを納得させるだけの理由や返答もなかった」
....と主張する。

「一方的な値上げに、はいそうですかと安易に認める事はできず、納得するまで徹底的にやろうと腹を決めた。しかも有料道路を作ってから30年後に無料化を約束していたくせに、蓋を開けてみると無料になる年(1992年)に突然 "料金プール制(全路線の料金をプールし新たな道路の建設や管理に使用する方式)" なるものを設け、無料どころか逆に値上げ(1993年に600円から700円)という事態になった。これまでこうした疑問を同クラブでは公団へぶつけてきたが、公団からの回答は13年間もの間、一切なかった。」

このことから今までの "値上げ分不払い" から2001年1月3日より "無料通行" とした。
確かにこの問題はさまざまなところで取り沙汰されてきたが、現状は値上がりする一方であった。
和合さんは...
「このままでは100年経っても変わらない。無料通行はそのような現状に対しての抗議行動」 と憤る。

しかし、ここに来て同クラブの主張とは別の問題が発生している。
無料通行に必要な「無料通行宣言書」のニセモノが出回っている、というのだ。
この宣言書は同クラブで作成したものだが、最近、書式の異なるニセモノが営利目的で売買され、困っているそうだ。

写真5
無料通行宣言書 左:本物 右:偽者
この偽クラブ、宣言書をパクるのみならず、ホームページまでそっくりに作っていた。

偽フリーウェイクラブのホームページ
 http://www.wldtel.com/i/
 http://www.wldtel.com/i/member/manual.htm

連絡先の名前、住所、電話番号もすべて和合会長のものになっているにも関らず、入会金(10000円)の振込先だけ別の人物になっているという悪質なもの。
問い合わせや苦情などに振り回されているそうだ。
どうやら、元フリーウェイクラブの会員によるものらしい、
と和合氏は云う。

「ウチのような団体が出てくるのは良いと思うが、
            フリーウェイクラブを勝手に名乗る団体は容認しない。」

当たり前の話である。 この偽宣言書の連絡先も、和合会長になっている。
警察に届け出たが、この偽宣言書を「ニセモノ」と認めると、必然的に和合会長側のクラブや、宣言書の存在を認めてしまう事になるので、警察側は何も出来ないのが現状らしい。
「自分には14年の実績があり、今後も会員を増やし続け戦っていく。」
....と高速道路上の車中(もちろん無料通行!)で真剣に、時には楽しそうに話してくれた和合さんが、印象的だった。


( 探偵ファイル )


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