巨大テーマパークの『噂』Vol.3

〜 市民の目からみた USJ の危険度 〜



写真1
▲USJ西側「ジュラシック・パーク・ザ・ライド」裏手
 この左手付近が、丁度、産廃処理場だった敷地に当たる

USJ 建設予定地に「産業廃棄物問題」が持ち上がった時、付近の住民達や、市民団体は何もしなかったのだろうか? .....当然、そんなわけはない。

それはもう、大変な運動をしましたよ。その頃。
と話してくれたのは『行政監視』を旨とする市民グループ【見張り番】の方である。

子供だって大勢行く遊園地なんだから、市が継続して調査すべきなんですよ。
"一体、人間をなんだと思ってるんだ" っていう事件が多い御時世なんだから。
狂牛病だって、雪印だって、みんなそうだったじゃないですか。
と、主張するその方の話を、少し聞いてみる事にする。

曰く...
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あの辺りは戦前から兵器産業だとか金属産業だとかの工場地帯でしたから、普通に考えれば重金属類の有害廃棄物がたくさん出るだろうと思うのは当然なんです。
キチンと調査して安全にしてから工事に取り掛かって欲しいというのは、アメリカの MCA(アメリカのユニバーサルスタジオを運営する映画会社)にも手紙を出しました。
でも、返答はもらえなくて......。
その他、 "厚生省" にも足を運んだんですよ。
でも、「それは、大阪市がやることだからって」相手にしてもらえなかったんです。
そうこうしているうちに、USJ も建設されちゃって。
......今や、押しも押されぬ、大人気のテーマパークになってしまいました。
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――大阪市の方は何と?
市の方は、着工に当たって一通りの調査はやったそうです。

――なら、市政としては、一応やることはやっているということですね?
ところが、どこを掘って検査したのか、どうやって調査したのか、質問しても返答をもらえず、明らかにならなかったんですよ。 答えてくれた範囲でもメッシュ(検査用のボーリング井戸の間隔のこと)も粗いし...。

――役所にあしらわれてしまったという印象が残るわけですか?
そうですね。それにあの敷地は住友金属工業の持ち物でしたから。
なんといっても『住友金属工業』の会長にですもの。
そこを相手にモノを言うんだから、そりゃあ、大変ですよ。

――なるほど。
それに、これはね、一言でいえないことが、いっぱい絡んでるんですよ。

――と、いいますと?
まだ、環境問題やかましくいわれない頃、規制もなにもない頃に、自分の土地に、自分のゴミを埋めるんだから、何も憚ることないですよね。 やりたい放題だったと思うんです。

――それは、まあ、そうでしょうね。
で、これは、その処分場に廃棄物を捨てていた担当の方の内部告発なんですが...。
その方のお話によれば、その投棄に関しては、極秘扱いになっていたそうで。

――液状廃棄物に関して、とかですか?
はい、私、その人に直接会って、お話したんですが、もし、そのお話が100%本当だったら、非常に怖いことです。 有害な物質が、全く未処理のまま捨てられていたという話でしたから。

――完全に危険な状態でですか?
その他にも、市が検査に来る時は検査用の井戸に水を入れて、有害物質を薄めていたとか...。

――? 水を入れて薄めていた?
そう

――検査用のボーリング井戸に?
そう

――大阪市の検査結果は、つまり、そういうことだった、と?
確証はありません。けど、そんな話がいっぱいあるんです。
今、聞いたら"何て事を!"と思うようなことです。
マスコミにもそういう記事は出ましたよ。
でも何故か、その問題の大きさを分からない人や、熱心さに欠く人々と...あと、それ以上に、それらの声を無視する力があったように感じられまして...。

――5年前の読売新聞にも記事が載ったようですね?
その頃は、読売新聞だけでなく、いろんなマスコミの人たちが動いていて、いろいろな方が追求を試みられました。 けれど、取材をしていた方々もなぜか引いてしまって...。 それから、報道しようとしたマスコミの方々も、予定の報道が没になったりして...。 やっぱり、なにかの圧力がかかったんでしょうか?

――"第3セクター"と言うか、大阪市の事業だったからということでしょうか?
それの壁もありましたね。
その頃、わたしもいろいろな情報源を持ってましたから、いろんな話をお聞きしました。

――例えば、どんな?
いろんな人の癒着の話ですとかね。

――癒着...?
工事や、土地誘致の際の談合の話とか、企業と市政側の癒着の話ですとかね。

――確かな情報なんでしょうかね?
いえ、噂の段階です。でも、確かめようもないし...。
一旦、本庁を離れれば、情報は "私のものよ" "個人のものよ" "法人のものよ" ということで、情報は全く届きませんでしたからね。 あたし達も、その後はそんなに熱心に問い詰めたりはしてませんから「それは昔のこと」とか「まあ、安全なんだろう」と言われてしまえばそれまでなんですが……不安な気持ちは全然、拭えてないんですよ。 でも、ほとんど、確かな情報は無いし、USJもこれだけ人気になってしまいましたから...。 今となっては、私達は心配して見ているだけなんです。



次に、水質調査の情報を管理しているという大阪市第3セクターを調べてみる事にする。



( 探偵ファイル )



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