巨大テーマパークの『噂』

〜 ユニバーサルスタジオジャパン の地下に潜む悪魔(?) 〜


「ユニバーサルスタジオジャパン」
言わずと知れた、大阪が誇る、巨大テーマパーク。
開業以来、好評を集め、その影響で関西圏の他の遊園地が、次々と閉園を決定したことも有名である。

また、このテーマパークは、水をかぶるアトラクションが多いことでも知られている。
『ウォーターワールド』『ジュラシックパーク・ザ・ライド』
等は水に濡れることを前提にしたアトラクションで、「次は『バックドラフト』で乾かしてもらおう!」と言って、火災現場を再現したアトラクションに続いて並ぶ人も多い。

ところが、 このアトラクション用水に「有害物質が含まれているのでは?」との聞き捨てならない噂が、ネット上で囁かれている。

「USJはもともと産廃の埋まっていた所で、
    地中の有害成分がアトラクション用水に染み出している。」


との「噂」である。
まず、USJ敷地の地図を見てみよう。2001年4月発行の ゼンリン住宅地図である。

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写真1

パーキングエリアが、奇妙に湾曲した形になっており、まるで手を伸ばして南西の敷地を覆い隠しているようにも見える。 ......ここで次の地図を見て頂こう。
1996年1月発行、即ち USJ 施工以前の住宅地図である。

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写真2

2枚の地図を並べてみると良く分かるが、"手を伸ばして覆い隠された敷地" は『産業廃棄物最終処理場』となっている。 ......とはいえ、これだけで『USJの水』を疑うわけにもいくまい。
実際、産業廃棄物処理場跡に通常の施設や遊園地が建てられた例は多い。
当然である。 本場アメリカと違って、日本の国土は狭いのだ。

適正な処置を経て閉鎖された、適正な処理場跡を有効利用するなら、これに異を唱える方が問題だろう。
が、ここで、もう一つ、見て頂きたい資料がある。読売新聞 大阪版 1997年(5年前)7月22日の夕刊 −
関西圏在住の方はご記憶の方も多いと思うが、全国版では載らなかった記事なので、御覧頂きたい。

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写真3
写真4
写真5

続いて、翌日(23日)の朝刊の記事である。

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写真6

気になる文章があるので抜粋してみる。

    (この処理場については)現行の廃棄物処理法で義務づけられている遮水シートや排水処理施設などは、施行以前にできた処分場のため未設置だった。 油泥や廃油約400トンと鉛を含有する廃塗料 8トンが処分場の穴に投棄されているのが判明。 市は不法投棄として厳重に注意したが、2ヶ月前から投棄されており、一部は地中に浸透していた。 地上の構造物の圧力で地下の汚水が周辺に浸出するなど、環境汚染のおそれを指摘する専門家もいる。 (閉鎖前に実施した)水質検査で当時の環境基準を超える鉛と総水銀を一部で検出していたことが、22日わかった。
年間800万人が入場するとされ、数々のアトラクションが楽しめる巨大テーマパーク...

「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」

有意義な娯楽施設であるのみならず、日本経済への好影響は計り知れない。
十分な安全措置がとられていると信じたいところではある。
しかし、『産業廃棄物処理法』施行以前の整備未全だった処理場跡。
16年前に不法投棄が発覚し、その後も不法投棄がなされたという液状廃棄物。
ネット上で実しやかに囁かれる「アトラクション用水に有害物質」との噂。

噂は "噂" だ。 早合点でこの有意義な娯楽施設に汚名を着せるわけにはいかない。
これが、ただの、根も葉もないデマなのか、それとも、根拠のある噂なのか?
もう少し、取材を進めてみることにする。  →(次回へ)

( 探偵ファイル )



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