2、3日であれば気のせいで済ませていたのであるが、流石に一週間毎日となると
「おかしい」と思うようになったという。
昨日は意を決して、話かけようと早足で近寄っていったらしい。
顔がわかるぐらいの距離まで近づいて、なにか語りかけようとしたが、相手は声を出さずに
悲しい顔をして、そのまま道の角を曲がり暗闇の中にフッといなくなってしまったという。
作家はその顔に見覚えがあった。
本の出版を記念して何回か行ったサイン会にも必ず毎回来てくれていたファンであり、
そのとき、「記念にお願いします」といって幾人かと写真をとって、後日ファンレターと一緒に
送ってくれた女性のものであった。
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