今考えれば、その車に関わりたくないといった感じでした。
 二日後、ディ−ラ−から電話がありました。
「この車は、どこも悪くないですよ。事故車でもないし・・・・。」
 私は彼と一緒に車をとりに行き、その晩、千葉の海へドライブに出かけました。
ところが、またカセットデッキの調子がおかしいんです。
松田聖子の曲、「秘密の花園」の「きっと、きっとよ〜」のところが引っかかって何回も再生され、最後はプツンとテ−プが切れてしまいました。同時に、車のガラスがパッと曇ったんです。
 彼は「おかしいなぁ」と言いながらフロントガラスをタオルでふきとりました。私はそのタオルを受け取ったのですが、見てビックリ!女性の長い髪の毛が数本、タオルにまとわりついていたんです。
「車、止めて!!」私は絶叫しました。
 でも彼は「きっとまえにこの車を持っていた人のものだろう」と言って、窓からタオルを捨てたんです。
 そのまま走っていると、今度はル−ムミラ−が気になってきました。私が乗っている助手席からは、彼の顔しか見えないはずなのに、何かが後ろにいるような気配がして・・・・・。