滝不動(末庵滝不動尊)



滝不動についての噂

十数年位前から、様々な噂が全国に広まっている。TV放送からインターネット上まで、あらゆるところに噂や霊体験をした話などが溢れている。

滝不動についての噂
夜、滝不動の近くでうす青い火の玉を見た(調査員の友人Nさん談)
滝不動の滝の上に髪の長い女性の霊がいる(調査員の友人Sさんの友人Mさん談)
滝不動から車で帰る途中、車のブレーキが壊れて事故を起こした(噂)
白い車で滝不動に行くと、良くない事が起こるらしい(噂)
滝不動に置いてある剣を持ち帰った人が、精神を病んで自殺した(噂)
滝不動に車(主に白い車)で行って帰って来たら、手の跡が車全体についていた(噂)
霊能力者として知られている、あの宜保愛子が『これ以上は進めない』と言って途中で引き返した(TV放映)

主に多かったのが車での事故、人が死ぬ、という事だった。特に滝不動の剣で遊ぶと、命にかかわるから危険だといった話が多かった。

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滝不動取材

大体の場所は地元なので知っていた。だが一度も訪れた事は無かった。少し不安を感じながら車で向かう。県道104号線に入りしばらく進むと、それらしき入り口を発見。

車を降りて入り口の鳥居をくぐり、不規則に連なる石段を下へと進んだ。石段を途中まで降りると意外と新しい地蔵菩薩があった。

地蔵菩薩の後ろの白い紙にはこう書いてある。
『オン カァカァカァ ビサンマエ ソワカ』三回 又は 六回 唱エヨ』と。
地蔵菩薩の脇には古い社らしき建物がある。

石段を降り、更に奥へと進むと、薄い鉄板で出来た小川を越える為の橋があり、それを渡るとお参りするための修行所がある。

修行所の中で趣意書なるものを発見した。これによると滝不動は五百有余年の歴史を持つ霊験あらたかな神佛、と書かれている。

修行所の裏側に小さい滝を発見。近づいてみると噂の剣が滝壷に奉納してあるのを確認。更に、供え物の花束もあり、本尊とされている不動明王の像も滝の中心に勇ましく立っているのが見える。奉納されている剣。中央に不動明王像。

滝不動を取材した結果、堂主がいることが判明した。連絡を取ってみたところ、取材の許可が得られたので、堂主への取材の様子を以下に記す。このお寺の住職さんが滝不動の現堂主。

堂主である、光秀院の住職加納寛裕氏の話
「天台寺門宗の流れで、昭和三十年に宗教法人の届出をしています。そして国有林の一部を国からお借りして運営致しております。
不動尊にお参りすると良い事があるとして、徐々に信者が増え続け「正和の会」という信者の会が発足しました。以来、「正和の会」を中心に、月に一度の修行(お参り)と、年に一度のお祭りなどを行っています。
真剣に信仰している人達にとって、幽霊が出るという話は混乱するし、迷惑しています。実際にその様な話は聞いたことが有りません。
昨年、今年とTBS系列で放映された内容は、事実無根の出来事であり、私と「正和の会」の人達と話し合った結果、TBSエンタテイメントに抗議文を出す事になり、その書を私の名前で投函しました。
後日、TBSエンタテイメントからのお詫びの書が届きました。
そのお詫びの書には、昨年、今年と放映した滝不動にある「首なし地蔵」の話は作り上げたものだと認め謝罪したものでした。
ここ数年の滝不動尊の幽霊騒動は、全てでっち上げの事。そういう霊が出没するという事は御座いません」
加納氏はそう話してくれた。確かに首なし地蔵は存在しなかった。しかし、ここ数年ではなく、十数年前からの心霊体験について疑問に思ったので尋ねてみた。
「以前に滝不動尊を壊そうとした人が、事故で亡くなっています。悪い事すると、その見返りにそれなりの罰が返ってきます。恐らくそういう人達は何らかの罰を受けたのかも知れません。
信仰は面白おかしくするものではないので、滝不動を信仰する人達にとって、馬鹿にするような行動は慎んで頂きたいですね」
と説明してくれた。

更に「取材にきていたTBSの方々に、悪い事が起こらなければよろしいのですが・・・」と心配もしていました。

調査を終えるにあたり一言
現在も若い人を中心に怖いもの見たさに滝不動に行く人が後を絶たない。奉納した剣で遊んだり、持ち帰ったりする話は良く耳にする。
しかし、現実に滝不動で火の玉を見た者、霊を見た者、怖い思いをした者等、今回の取材で霊体験をした方々に会って、話を聞くことができた。