芝公園



徳川家康が武運長久を願い、菩提寺としたのが港区の芝の増上寺である。

東京タワーの鉄脚の1本がその墓地に突き刺さっている。これは東京オリンピックのテレビ放映に建築を間に合わせるため、無理な用地取得をした結果だ。

完成後数ヶ月のうちに幽霊の噂が流れ始めたのは当然と言える。

東京タワーを背にして撮影した写真には人影がいくつも写り、ガードマンたちはラップ音に悩まされる。巨大な顔が展望台に出現し、窓ガラスには人の目鼻が浮かぶらしい。

そんな怨霊達の怒りを鎮めるためか、西側の鉄脚の傍らにある鬱蒼とした公園には、ひっそりと祠が建ち、人知れず地蔵が建立されている。