新幹線道路沿いガード下


FC 静岡北



【 地域の確認 】
噂のある地域はJR東海三島駅から同町下土狩「竹屋踏切」の間に集中している。
その間には10ヶ所程の薄暗い雰囲気の『 ガード下 』 がある。同地域は新幹線を境に南北に分かれており、『 ガード下 』 を通りそれぞれ行き来をしている。
夜間は交通量も減り、街灯の明かりだけが道路を照らしている。


三島駅西側から、御殿場線( 地図左側 )までの区間

【 噂  話 】
東海道新幹線下り・三島〜新富士間に乗車した時、同地域を通過する辺りで血まみれの女性の姿を車内の窓から目撃した。
東海道新幹線が開通する以前、同高架下に古い塚が祭られていたが、新幹線工事に伴い移動され、それ以来奇妙な事が起こる様になった。
同新幹線ガード付近を深夜に通行すると、身長50cm程の人が追いかけて来る(事故で死亡した人間ではないかと噂されている)。
新幹線ガード下には昔、身元不明の死体が埋まっていたが、新幹線高架工事後に発覚した為、高架を取り壊す訳にもいかず現在もそのまま死体が埋まっている。
同新幹線ガード下を車両で通行した際「ピタピタ」という音が頭上から聞こえ、帰宅後に車両上部を見ると血が垂れた痕と、手形の様な痕があった。
同新幹線ガード下で何人もの人が殺されていて、深夜になると被害者がガード下で手招きをする。
雨の日に真っ赤なコートを着た女性が『 ガード下 』に立っていて、そこに通りかかる車に飛び掛かって来る。
誰もいない深夜に、何かをひきずる様な音が聞こえる。

以上の噂に基づき、現地にて調査を開始した。








【 現地調査結果 】

新幹線高架下に死体( 人柱? )が埋まっていると言う噂
付近の住人に聞き込みを行ったが、この件に関する情報は得られなかった。
東海道新幹線が開通したのが昭和39年10月とのことで、当時の関係者に聞き込みを行おうとしたが現在の行方がつかめず、今では担当も変わってしまっている為、情報は得らなかった。
JRに問い合わせをしたが

「 その様な事実はありません 」

との回答。これ以上の情報を得る事が出来ず、現時点ではこの噂を特定する事は出来なかった。

昔からあった「 古い塚 」を新幹線工事のため移動したと言う噂
聞き込みの結果、奇妙な話は聞けなかったが、「古い塚」があったと言う話は聞いた事があるそうだ。
ただ、現在その「 古い塚 」がどこにあるのかは不明。現時点ではこの噂も特定する事は出来なかった。

新幹線ガード下を通ると車両上部に血痕が付着すると言う噂
実際にガード下を何度も通行したが、その様な現象は起きない。噂の出所を捜した結果、その現象が起こった車両を特定する事が出来た。
本人の話では「 洗っても取れない赤痕 」が現在も付いているとの事。その車両を確認すると・・・、確かに赤茶の痕はある。
しかし、どう見ても『さびている』様にしか見えない。その方には丁重にお礼を述べ、その場を後に。只の気のせいであろうと判断する。

同新幹線ガード付近を深夜に走行すると、身長50cm程の人が追いかけて来ると言う噂
深夜の時間帯を見計らい、新幹線ガード付近を走行する。が、やはり誰も追いかけて来る気配は無い。
同地域周辺の道路は非常に見通しが悪く、そのため交通事故も多い。交差点などでは左右がほとんど確認出来ない。このような場所で何故一旦停止をしないのか、かえって不思議に思ってしまう。
ただこの辺りの地域はどことなく雰囲気も暗く、同地で様々な噂が囁かれるのは解るような気がする。

新幹線ガード下で何人も死んでいる、との噂
付近の住人に聞き込みを行った結果、いくつか興味深い内容の情報を得る事が出来た。
それは「 昔、女の人が殺された事件があった 」「 犯人は逃げたままで捕まっていない 」「 その女性の姿を(事件後)見た人がいた 」と言うものだ。
更に詳しい情報を求めた結果「 20〜30年前に女学生が刺し殺された 」「 被害者の遺族はこの辺りの地主で、事件は未解決である 」「 血まみれの女性が付近を徘徊していた 」とのことである。
「 何人も 」と少し大げさな表現にはなってはいたが、噂にはどうやらきちんとした根拠があった様だ。昔『 ガード下 』で殺人事件があったのは確かな様で、信憑性が高い。過去にいったい何が起きたのか、更に詳しい情報を求めて事件の詳細を特定していく。

付近や同町内への聞き込みを行い、更に新しい情報を入手した。

静岡県駿東郡長泉町下土狩・新幹線沿いガード付近にて、過去に起きた事件とは?
その結果、「 約30年前、帰宅途中の洋裁学生が通り魔に殺害された 」「 殺された場所は新幹線“三軒屋”ガード下である 」「 正月の寒い日に殺された 」「 だいぶ裕福な家のお嬢様 」等の情報が多々あった。
情報を総合すると、約30年前の正月、洋裁学校の女生徒が下土狩の自宅に帰る途中に『 新幹線“三軒屋”ガード下 』で何者かに刃物で殺害されたらしい。犯人は通報されたが逃亡してしまい、未だに捕まっていない
当時の殺害現場付近で、殺されたはずの女生徒が『 血まみれの姿で 』立っていたのを近隣の住人が目撃している。当時、この付近は田んぼに囲まれ街灯も少なく人通りもまばらで、とても寂しい場所だったそうだ。付近の住人は事件後に住み始めた方が多く、事件の詳細を知っている地元の人達は、遺族とも親しい様子で、我々に警戒心を抱き、露骨に嫌な顔をされる事もあり、聞き込みによる情報はこれ以上得られなかった。

◆ ◇ 殺害現場の確認 ◇ ◆

殺害現場は静岡県駿東郡長泉町下土狩 『 新幹線“三軒屋”ガード下 』との情報が複数あった為、同地が殺害現場であると判断。付近で『 血まみれの女性 』の目撃証言や『 ガード下で女性が・・・ 』等の噂話にも一貫性があり、事件と噂に共通している部分が多い。噂の雛形として殺人事件があり、そこに様々な尾ひれが付いたのではないだろうか・・・。


【 所  見 】

事件当時の新聞を捜した所、下記の記事を発見した。

『 新幹線沿い道路・ガード下 』 ( 静岡県駿東郡長泉町下土狩・三軒屋 ) にて昭和46年1月4日( 月曜日 )午後八時三十分頃、静岡県長泉町下土狩219に住む 『 小坂 実代 』 さん( 当時19歳 )が殺害された。

やはり殺人事件は実際に起きており、事件の内容は聞き込みによる情報とほぼ一致していた。
今回様々な噂話を検証した所、大半は根拠の無い興味本位の噂であったが、『 新幹線“三軒屋”ガード下 』では実際に殺人事件があり、年月と共に様々な噂話として浸透していったと考えられる。
犯行時、被害者は殺害現場から北に50m近く這って移動しており、その血痕がまざまざと残っていたそうである。被害者はさぞ無念だっただろう。あと5分ほどで自宅に辿り着いたのだから・・・・

被害者のご冥福を謹んでお祈りいたします。