野間トンネル


FC 吹田


大阪府内において、“出た”と噂のある幽霊トンネル、能勢の妙見山の野間トンネルを調査する(地図でも確認可能)。
噂によると、関西随一の霊山である能勢妙見山の附近のせいか、女性の霊が出るとか、首の無い人が歩いている等の目撃談は多い。
まず、どういったものが出るのか、また歴史的背景が不明なので、具体的な情報収集を目的に妙見山附近の住民に聞き込みを開始する。

聞き込みの結果

昔、処刑場があり何人もの人が殺されている。祖父が目撃したと聞かされた。
(豊能郡豊能町川尻の50代女性)
トンネルの辺りで出るとの噂を聞いた事がある。
(豊能郡豊能町川尻、法輪寺の50代男性住職)
斬首刑の公開処刑場であった。
(兵庫県川西市黒川、妙見ケーブルの40代女性運転手)
夜中にトンネルの中で白っぽい女性が現れるらしい。
(大阪府在住の30代女性)

など、噂話としての情報で実際に目撃した人物とは遭遇できなかったが、聞き込み対象者の半数の人が噂を知っていたようで、かなり有名な場所である事は間違いなさそうだ。

聞き込み結果により、以前ここ妙見山では、斬首刑の公開処刑場であったことが判明したことから、噂であった首の無い霊が出るということは理解できる。
しかし、女性の霊に関しては、なんら手がかりは得られなかった。

実際に昼間、このトンネルに赴いて調査したところ、トンネルの入り口には苔が大量に附着しており、かなりの年月を想像させる。上部には“野間隧道”と書かれており、昼間にもかかわらず、やや不気味さが漂う感じがする。
入り口わきにはトンネル点検銘板が掛けられており、これによるとトンネルの詳細は、

路線名 府道茨城能勢線
トンネル名 野間トンネル
全長 72メートル
完成年 昭和12年
点検実施日 平成12年 3月
管理者 大阪府池田土木事務所

と記されている。
トンネル内部はオレンジ色の水銀灯が点灯しているために、一見明るく、ひんやりした感じがする以外、落書きが見うけられるぐらいで、気になる点は特にない。さらに、この路線は裏道にあたるせいか交通量が多く、かなりのスピードで車両が走っている。

 

続いて、トンネル周辺を調査した結果、温泉旅館やバス停(野間峠)があることが判明した。旅館の裏には、小さな池があり、昼間でもそれなりの雰囲気が感じられる。池のそばには、妙見登山記念碑と書かれた石碑が建てられていた。
昼間の調査は、普通のカメラとデジタルビデオカメラにて、トンネル及び周辺を撮影し、終了した。

日が暮れてから、再び野間トンネルに訪れ、調査を開始する。
一切外灯の無い道路なので周辺は真っ暗闇であり、ひっそりと静まり返っていた。昼間よりはかなり不気味に感じられる。辺りを見廻してみると、昼間の調査で見逃していたのか、バス停の裏に地蔵もしくは墓のようなものを発見した。それには、慰霊碑であろうか、花が活けられており“南無佛”とだけ記されている。さらに、カメラの撮影中、フラッシュがつかなくなるハプニングが発生し、ほとんどカメラによる写真撮影はできなかった。

今回の調査で我々は、この土地が心霊スポットである確証は得られなかったが、この妙見山が霊山であること、その昔ここが斬首刑の公開処刑場であったことなどから、何らかの心霊現象が起こりやすい土地であることを察するのは容易なことである。
又、これら数枚の写真を見て、どれだけの人が心霊写真だと思い、どれだけの人がただのしみや、光の反射問題だと思うであろうか?
人間の価値観がそれぞれであるように、霊的現象に対するとらえ方も人それぞれなのである(我々探偵は、特に現実思考である)。

クリックすると拡大画像が見られます。
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