FC つくば
《笠間城跡のトンネルの噂》
茨城県笠間市にある笠間城跡のトンネルには、照明がない。とても暗く薄気味の悪いトンネルだ。そこには井戸がある。過去に暴行された女性が、井戸に投げ込まれ置き去りにされたという。以来、井戸を覗くと女性の顔が映るといわれている(貞子のモデルになった?)。女性の幽霊が井戸の側に立ち、男性を睨みつけているという別バージョンの噂もあった。
《現場調査》
笠間城跡のトンネルにて実際に私の知人が恐ろしい体験をした。1年前の夏、私の知人である山本氏は仲間3人と心霊スポット探検とばかりに笠間城跡のトンネルへ車で出掛けた。そこで恐ろしい目に遭ったのだ。
トンネルに何かが出ると、噂で聞いていた私は、山本氏の話を聞き、興味を覚えた。誰かの噂話と知人の体験では真実味がまるで違う。私は山本氏に彼らが怪異にあったという現場に連れて行って欲しいと頼んだ。
私は山本氏が快く引き受けてくれるとばかり思っていたが、山本氏は一言、「絶対にヤダ!」と言い張った。いつもは陽気な山本氏なのだが、その時の表情は固く強ばっていた。

山本氏たちはどんな目に遭ったのか? 彼らがトンネルに着いたのは午前3時頃だったという。変な話だが、幽霊に遭うにはうってつけの時間帯である。
トンネルの入り口に差しかかった。その瞬間なんとも言い難い、嫌な感じがしたらしい。一瞬躊躇したものの、山本氏はそのままトンネル内へと入り、ちょうどトンネルの真ん中あたりで車を停めた。トンネルでクラクションを鳴らすと何かが起きるという噂を聞いていた山本氏は、クラクションを3度鳴らした。
何が起きるか? と車内は緊張したが、いつまでたっても何も起きない。ほっとしつつ、ガッカリもした彼らだったが、その時、車のボディーを、コツコツ、コツコツ、コツコツとノックをする様な音が聞こえた。4人はお互いに顔を見合わせた。
トンネルは普通車がやっと入れるほどしか道幅がなく、長さもわずか10mほどだ。誰かがいればすぐにわかる。一瞬、全員が沈黙する。山本氏は息を大きく吸い込むと叫んだ。「出た!」同時に車のアクセルを床が抜けるほど踏む。後部席の女の子は「やだ!やだ!」と怒ったように言いながら、泣きじゃくっていた。
トンネルを急いで抜け、大きな道路に出てようやく車を停車させた。いったい今の音はなんだったのか? みんな黙り込み、呆然としている。山本氏はドアを開け、外に出てみた。さっきの音は何だったのか? 山本氏は何かが車のボディを叩いたあたりを見た。特に何も変わったことはない。車の後部に目をやった時、奇妙なものが見えた。「何だろう?この跡は?」左後ろのピラーからリアーウィンドーの間にかけて、小さな、子供のような手形の跡が2ヵ所残されていた。
トンネルに出る幽霊の話は有名で、地元の人はもちろんのこと茨城県内で知らない人はいないほどだ。山本氏の例のように手形を残される場合を含め、さまざまなパターンがあるようだ。何度かメディアに紹介され、除霊に訪れた霊媒師もいたそうだが、なぜか現場で数珠が飛び散ってしまったという。トンネルにはどうやらとても強い霊が棲んでいるらしい。
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