春志内トンネル



「うん・・・。でるよ・・・」
このトンネルを訪れたのは、夜も更けたころであった。

トンネルの撮影をしていると、一台の車が近くの駐車場に入ってきたので、車を降りた人にたずねたときの返答である。服装から工事のガードマンだと分かった。これに力づけられたように、意気込んでトンネル内部の撮影を始めたのだった。
一通り写真をとり、デジカメの画面を確認したが何も写っておらず、次の現場に向かおうとした。が、反対側から撮っていなかったため、念のため移動して撮影したところ・・・。
・・・写真には「何か」が写っていた。
霊に詳しい人に聞いたところ「オーブ」というものだそうである。
そういえばその写真を撮った時、何処から誰かの視線を感じた。
その後、再びトンネルを通った際には、何も感じられなかった。

ところで気にかかる事が一つ。
冒頭のガードマンだが、作業しているのはトンネル内なのに、何故かトンネルには入ろうとせず、ただ、外を警備するのみであった。何か入れない理由でもあるのだろうか・・・。