言問の松



切ると祟りが起きる松の木があるとの情報があり、早速調査に赴く。

兜沼付近のカーブを抜けると、巨大な樹木が目に飛び込んできた。辺りはまだ明るく、真っ青な空に映える雄大なその姿は、視界に入った時にすぐそれとわかるほどのインパクトを持っていた。
そのあまりの存在感に、まだ現地についていないにも拘らず、思わずカメラのシャッターを切ってしまっほどである。


近くに行き、はるか頭上を見上げると、松の木の頭頂部で小鳥達が戯れているのが見えた。
明治時代にこの地へやってきた入植者たちは、この木を何度も切り倒そうとしたのだが、その度に木を切ろうとした人が怪我をしたり、病に倒れたりしたらしい。


以来、神聖な木であるとして土地の人々に敬われ、「言問の松」として大切にされてきた。昔のことは何でも知っていて、人々の問いに答えてくれると信じられたことから、「言問」の名で呼ばれているという。
年月を重ねた今、足元の心許なくなった松の木の周りには、木を守るため風除けのフェンスが張られていた。


祟りの伝説の真偽はともかく、樹齢約1200年の長い歴史を経てこの土地を見守る老木に、一見の価値がある事は確かである。