●更新日 05/04 ●


小説がある事件を予言!ただの偶然とはいえない一致の数々


漫画や小説は当然、ほとんどのものがフィクションである。
だが時に未来を予測したような表現が描かれていることもある。例えば『ジョジョの奇妙な冒険』の単行本20巻に登場するエピソードでは「未来を予言する漫画」を持つ敵が登場するのだが、漫画が予言しているコマが、2001年のある事件を予言しているのである。
そのコマには電柱に首が突き刺さって死ぬ男が描かれているのだが、問題は男が着ているTシャツに「911」と書かれている。その後ろには、顔のついた飛行機と、イスラムのシンボルといわれている月が描かれ、さらに首を貫かれた男は死ぬ間際に「おっ10時半だ!」と告げている。

9.11テロとも呼ばれるアメリカのツインタワーに旅客機が衝突し、倒壊する事件が発生したのは
9月11日10:30のことであった。これは飽くまで都市伝説といわれているのだが、偶然にしてはあまりにも合致しすぎている。


1884年、ある船が難破し、1つの救助ボートに4人の乗組員が乗り、漂流をしながら救助を待ち続けていた。ところが何日経っても救助は来ることはなく、乗組員達は空腹と喉の渇きが限界に達しようとしていた。
そんな時、4人の内の1人リチャード・パーカーがある提案をした。
それは「4人でくじ引きを行い、ハズレを引いた人が3人の食料になる」といったものであった。他の3人もリチャードの提案に乗り、その結果、提案をしたリチャード・パーカー自身がハズレを引いてしまう。他の3人は彼を食べることによって、何とか生きながらえ、救助された。


この事件自体、大変恐ろしいものなのだが、この事件を予言するような小説が約50年前に出版されていた。その小説とは多くの推理小説やホラー小説の名作を残したことで有名な、エドガー・アラン・ポーの著書、『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』である。
状況や関係者の人数、そしてくじ引きを行ったことまで全く事件と同じであり、さらにハズレを引いた人物は「リチャード・パーカー」と書かれており、実際の犠牲者となった人物と名前まで同じだった。
その為、当初は小説の模倣ではないかと考えられたのだが、取調べを行っていく内に事件の関係者である3人ともエドガーの小説を読んでいなかったことが判明した。
裁判では「事件と小説の関連性はなく、ただの偶然の一致であった」と結論付られたのだが人々の間では、エドガー・アラン・ポーは事件を予言したのではないかということで、大きな噂になった。


『ジョジョの奇妙な冒険』の作者、荒木飛呂彦はあるインタビューで、予言の漫画の事を聞かれ「自分も知り合いから聞いてびっくりしたのだが、何で書いたのか分からない」と答えている。
エドガー・アラン・ポーは1849年10月3日に亡くなっているため、1884年に起きた事件のことを知る由もない。もし彼が1884年まで生きていたら、荒木飛呂彦と同じようなことを言ったのかもしれない。

事実は小説より奇なり、である。



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山口敏太郎



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