●更新日 11/30●

最後のメッセージ


あれは、今から10年以上前、高校生だった頃の話しです。

夏休み、A子の家でお泊り会をしました。
夜も更け、そろそろ寝ようとした時です。
A子が彼氏に連絡してから寝るよ、と言いました。
当時の高校生の、主な連絡手段はポケベルでした。A子は彼氏のポケベルに

《0833》(オヤスミ)

と、メッセージを送りました。
すると、5分も経たずにA子のポケベルがなりました。

《55216 14106》(ココニイル アイシテル)

というメッセージでした。
『あはは。何コレ〜?』A子は、再度オヤスミとメッセージを送ると、また彼から同じメッセージが…。

《55216 14106》《ココニイル アイシテル》

「あはは。意味分かんないね!寝よう!」

次の日の朝、私たちは電話のベルで目を覚ましました。
「もしもし?」
受話器を持ったA子は泣きだし、言葉すら話せないような状態でした。
「どうしたの?」と聞くとA子は声を振り絞りながら
「昨日の夜…彼が…死んだって…」
数日後、A子から〈あの日〉の話しを聞きました。
あの日の夜、A子の彼は友達と、池で遊んで悪ふざけでボートを出し、数人で池の真ん中あたりまで行ったそうです。
すると、A子の彼はボートから転落し、姿が見えなくなってしまったというのです。周りの友達が、慌てて探しても見つからず、119番通報をして必死の捜索をしましたが、なかなか見つからず、夜も明けて辺りが明るくなってきた頃、やっとA子の彼は発見されたそうです。

写真

それは…ボートの底に張りつく様な形で発見されました…。

「あの夜のメッセージ…自分の居場所を教えたかったのかな…」
A子は悲しそうな表情でいいました。
あの日のメッセージ…
《55216》(ココニイル)
もしかしたら、あの日の夜…A子の彼は、A子の部屋に来ていたのかもしれません…。

写真
《55216 14106》(ココニイル アイシテル)
最後のメッセージを、A子に伝える為に…。



yakiniku



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