●更新日 11/25●

部屋に居たピエロ


アメリカではティーンエイジャーになると近所からベビーシッターを頼まれる事が多い。
12才では子供すぎてベビーシッターは任せられないけれど、13才になると少し大人になるので安心できるらしい。

13才になって数週間たったある日、隣の家の家族から7ヶ月の赤ちゃんのベビーシッターを週末にと頼まれた。赤ちゃんとは病院から帰って来た時からの付き合いだったし、とてもおとなしくてニコニコしている子だったので喜んで引き受けた。なにより初めて“働いて”お金を貰えると言う事が大人になった気がして、誇らしくて早く週末が来ないかとワクワクしていた。

週末になり、元気に隣の家へ出かけていくと、沢山のお菓子やソーダ、サンドイッチ、ディズニーの映画が山のように用意されていた。赤ちゃんはすでに部屋で眠っていた。時刻は午後6時。11時までには帰ってくると言われたので、5時間の間に全部の食べ物や映画が全部食べて見終わるか、そっちの方が心配だった。
2本目の映画の途中に、赤ちゃんの泣き声が部屋から聞こえてきた。行って見ると赤ちゃんが泣いていた。ベッドの上に座らして、手を叩いてみたり変な顔を作って笑わせようとした。いつもならすぐに笑顔になるのに、この日は何をしても真っ赤な顔をして泣き続ける。20分ほどしてもまだ泣いているので心配になり、赤ちゃんをベッドから出してテレビの部屋に連れて行き、隣の自宅の母親に電話して、すぐに来てもらった。

母親が赤ちゃんを抱っこし、揺らしてあげると安心したかのように赤ちゃんは泣き止み眠り始めた。赤ちゃんを部屋へ連れて行ってあげようとするとまた泣き出したので、そのまま3人でテレビの部屋に居る事にした。午後10時半頃に赤ちゃんの両親が帰ってきた。泣き止まなかった事を報告すると、ナゼそんなに期機嫌が悪いのかったのかしらと言うので「部屋の隅にある大きなピエロの人形が怖かったのかも」と冗談交じりに言った。
赤ちゃんの部屋の隅には大きなピエロの人形が置いてあって、少しだけ怖かったので口から出たのかもしれない。

写真写真写真写真写真

すると赤ちゃんの母親は不思議そうな顔をして「ピエロ?なんのピエロ?」

赤ちゃんの両親、私の母親は隣の赤ちゃん部屋へ走っていった。そこには私の見たピエロの人形はいなく、
開いている窓から生暖かい風が吹き込んできているだけだった。

大人達は侵入者なのかもしれないと警察に電話していた。

警察が来て調査の結果、赤ちゃんの部屋の窓の鍵が無理やり開けられていたようだという事と赤ちゃんの部屋の絨毯から土が発見されたという事を聞かされた。

私が見たピエロはなんだったのだろうか?本物の人間で赤ちゃんを誘拐しようとしていたのか?
どちらだとしても怖い。

でも、あの日以来、ピエロと生暖かい風は大嫌いになった。



MAYU


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