●更新日 05/27●

霊界の使いが履いた下駄の音


これは今年63歳になるEさんが小学生の頃、東京都品川区のあるお寺で体験した話である。


私は親友にTちゃんというお寺の娘さんがいました。
あの日、私達はTちゃんの家でかくれんぼをすることにして、Tちゃんが鬼で、私は流し台の角に隠れ込みました。
私とTちゃん2人しかいない事もあって、お寺全体が少し気味悪い位静かでした。


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すると台所の窓から


カラン コロン カラン コロン


と誰かが門の外から下駄で駆けて来て、Tちゃんの家の方へと来る音がしたんです。
私は誰か来たのかと思ったのですが、



カラン コロン カラン・・・


と、Tちゃんの家の前辺りで、下駄の音が消えたんです。
人の声もしません。
お寺の周りは再び静かになりました。




その後も下駄の音は断続的に続いたという。
Eさんは不思議に思いながらも、隠れていた。
そして何度目かの下駄の音が聞こえてきた。



カラン コロン カラン コロン

とまた下駄を履いて走ってくる音がしました。
私も、気になってしまい台所の窓から外を覗いてみたんです。



カラン コロン カラン コロン


写真


誰もいないんです。

下駄の音は聞こえるのに、人の姿が見えないんです。


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そしてその下駄の音は丁度Tちゃんの家の前の井戸にくると



カラン コロン・・・


と止まり、再びお寺全体がシーンと静かになりました。

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でも、不思議なもので、そのときはワケが分らないので、逆にあまり怖いとは感じないんです。

その後Tちゃんのお母さんが帰って来たとき、下駄の音の事を話してみました。
するとお母さんは特に驚くこともなく、



「じゃあ、明日はお客さんがくるね」


と言ったんです。
最初はなんのことだろう?と思いましたが、次の日Tちゃんの家に行ってその意味がようやく分りました。



Tちゃんのお寺の住職さんがお通夜に呼ばれたんです……。




Eさんは、その後このお寺には翌日通夜などがあるとき、このような現象が良く起こるのだと教えてもらったそうだ。

下駄の音の主は霊界からの使者なのであろうか……?

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li.kouji(写真はEさんの話に出てくるお寺で撮影したものです。)


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