●更新日 10/28●


「女性限定メニューは男性差別」と大学教授が猛抗議


著書「パラサイト・シングルの時代」、「希望格差社会」などで知られる中央大学の山田昌弘教授が、日本社会の男性差別を批判する文章を発表した。

2010年10月21日の東京新聞夕刊コラム「放射線」欄に、山田教授は「レディーズセット」と題するコラムを執筆。男女共同参画に関わってきた立場から、レストランの女性料金や女性限定メニューは男性差別であると主張する。「なぜ男性であるというだけで料金が高かったり、食べられなかったりするのか」という。

「女性限定メニューは男性差別」と大学教授が猛抗議

山田教授は、小食でアルコールも飲まないそうだ。だが、自身よりも大食で大酒飲みの女性と比べて、食べ放題の店などで高い料金を払わされるのは納得がいかない模様。そこで、女性限定のメニューがあると、それを注文することにしているという。オーダーに成功する確率は、半分くらいらしい。

「女性を呼び込みたいからとか、女性の方が収入は低いなどいろいろ理由はつけられているが、結局は、偏見に基づく一種の差別である」という。「男性優遇システムは批判されるが、女性が優遇されるシステムは批判されることなく残り続ける」と、山田教授は指摘する。そして、法的には問題がないとはいえ、「女性は経済力がなくて当然という意識を間接的に広める」ため、女性も現状を喜んでばかりはいられないと述べている。

「女性限定メニューは男性差別」と大学教授が猛抗議
「女性限定メニューは男性差別」と大学教授が猛抗議

記者が行きつけの店には、このようなメニューが存在しない。そこで、その店からの紹介で、都内にあるレストランのオーナーに話を聞いた。オーナーに趣旨を伝えたところ、「うちでは、そういう苦情はまだ頂いたことがありませんので…」と、やや困惑している様子だった。

なぜ女性限定メニューを導入したのかと尋ねると、「差別と言われたら、ちょっと困ってしまいますけど、ランチには女性のお客様が多いので、この時間帯限定で、女性に好まれるメニューを出すことにしました」とのこと。他のランチメニューと比べてボリュームを減らし、野菜を中心にヘルシーな食材を多く取り入れているという。

続いて、女性限定メニューが存在する理由をどのように考えるかと質問した。すると、「やっぱりお客様のニーズが第一だと思います」という。「極端な話、ガテン系の男性ばかり来るような定食屋さんとかラーメン屋さんで、そういうメニューはあまり聞いたことがないですからね」と、同氏は述べる。

「女性限定メニューは男性差別」と大学教授が猛抗議

このような問題を、フェミニストの人々がどう捉えているのか、興味深いところである。



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