●更新日 10/22●


あの"お家騒動"の京都「一澤帆布」は今!?


「一澤帆布(いちざわはんぷ)」という京都のかばんメーカーをご存知の方も多いだろう。数年前に相続のトラブルが持ち上がり、最初に開封した遺言書とその後に出てきた別の遺言書の真偽や有効・無効を巡って裁判となった。
2004年12月、長男・信太郎氏が後から持ってきた"2通目"の遺言書が無効とは認められず、三男の信三郎氏は社長を解任され店を追われる形となる。そして長男が社長、四男・喜久夫氏が取締役に(二男は早世)。紆余曲折あって信三郎氏は「一澤信三郎帆布」を一澤帆布の近くに開店。職人たちもほとんど信三郎氏についていった。

一澤信三郎帆布店舗
京都の「一澤信三郎帆布」 ちょっと先には「一澤帆布」が

その後も長男による商標権侵害等の損害賠償請求訴訟などいろいろあったが、信三郎氏の妻が起こした訴訟で今度は先述の長男の持っていた遺言書が無効と認められ、先の社長解任も無効となり信三郎氏が一澤帆布の経営に復帰する。長男の社長時代に職人がいなくなった一澤帆布では新たに従業員を雇い入れていたのだがその方たちは退職を促されることに。それに反発する従業員によりまたまた訴訟となったのだが、今年7月13日に和解が成立した。

一澤帆布店舗
一澤帆布は「当分の間、休業とさせていただきます」とのこと

しかし、その後も一澤帆布は休業中のままである。
平日にもかかわらず多くの客が訪れていた一澤信三郎帆布のお店にて、従業員に「一澤帆布」の再開について訪ねたのだが「ちょっとわかりかねます」とのことであった。長男が社長だった時代には、それまでと異なる品質の商品が「一澤帆布」ブランドで売り出されていたわけで、いまさら同じブランド商品を売るわけにはいかないのだろうか……。

また、和解の成立する数日前の7月7日には先にも述べた四男・喜久夫氏がこれまた近くに「帆布カバン※一澤(きいちざわ」(※は「七」の三つ重ね)を開店した。

喜一澤HP
喜一澤HPより 四男・喜久夫氏は先代と共に多くの帆布カバンをデザインしたとのことだが


開店にあたり、信三郎氏は朝日新聞の取材に「お家騒動と騒がれるのはもう勘弁。そっとしておいてほしい」と答えたとのこと。
「一澤帆布」と「一澤信三郎帆布」、そして「喜一澤」の3つの「一澤」。今後、どうなっていくのだろうか……。



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