ポケモン不正DL、偽パッチのウイルスで個人情報流出

株式会社ロマンシングによる、不正ダウンロードを利用した詐欺事件を覚えているだろうか。　(関連記事　1　2　3)



この度、人気作品「ポケットモンスター」関連の不正ダウンロードを試みた人々がウイルスに感染し、個人情報が流出するという騒動が発生した。プログラムを修正するためのパッチを偽装したウイルスで、それを使用するとデスクトップ画面のスクリーンショットがネット上に晒されることになる。また、最近使用したファイルの一覧や、「お気に入り」に登録されているURLの一覧も公開されてしまう。

ネット上では、ウイルスに感染した人々の上述の各種情報を晒している掲示板へ各所からリンクされ、ロマンシングの時と同様の事態になった。不正ダウンロードした人々が使用していたファイルから、当人の職業や趣味が推測できてしまうとのことで、話題に。中には、ユーザー名が本人の氏名そのままであると思われるものもあったようだ。



最近使用したファイルから、医療関係者と思われる人物も確認された。その人物のファイルの一覧には、「看護師“全チ○ポワザ集大成”SP」などというものが発見されたとのことで、注目を集めた。また、別の人物は、デスクトップの画面から当人もしくは関係者が特定され得るとのことで、人々の関心を呼んだ。スクリーンショットとして出回った、デスクトップに使用されていた画像の一部に、個人の顔が大きく写っていたためである。

先月には、「イカタコウイルス」の作成者が逮捕されたばかりである。画像や文書の保存内容を強制的に変更し、使用できなくしてしまうというもので、器物損壊罪が適用された。一方、このウイルスの作成者は、以前にも「原田ウイルス」を作成し、逮捕されていた。その時は、アニメのキャラクターが使用されていたとのことで、著作権法に反するとの判断がなされている。



今回のウイルスには、アイコンにピカチュウのイラストが使用されていた。そこで、2010年9月21日、当サイトでは株式会社ポケモンに取材を申し込んだ。同社ではこの件を把握していない様子だったので、騒動の概略と問題点を伝えた。だが、広報担当者はまだ出社していないとのことで、同社としての正式なコメントは得られなかった。



本件の場合、ピカチュウのイラストを使用したことが、今後の争点の一つになるかもしれない。ただし、不正ダウンロードという行為そのものに根本的な問題があることは言うまでもない。




探偵T