●更新日 06/05●


新日本プロレス、公式動画の音楽は著作権法違反か?


新日本プロレスは、YouTube内の公式ページにて、各種の動画を配信している。その中に、選手の入場テーマ曲を映像と共に配信する「NJPW ENTRANCE VTR」と題されたシリーズがある。それらの音楽が、著作権法に則った正式な手続きを経ないで使用されている可能性があるとの情報提供があった。

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一例を挙げると、ケニー・オメガの入場テーマ曲は、「20th Anniversary ロックマン1〜6 Techno Arrange Ver.」に収録の「Dr. Wily 1」と題されたものである。当サイトでは、発売元のティームエンタテインメントに連絡を取り、話を聞いた。すると、同社では、この件については知らなかったという。

著作権のある音楽を使用するには、JASRAC(日本音楽著作権協会)に申請して、許可を得る必要がある。申請手続きが完了すると、JASRACから発売元の企業へ通知が届く。こうして、申請者は正式に音楽を使用可能となる。ところが、問題の動画は6月1日に配信を開始したのだが、現時点までにティームエンタテインメントには、新日本プロレスから申請があったとの通知は届いていないそうだ。

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他にも、例えば6月1日に配信が開始されたフジタ“Jr”ハヤトの動画では、T.O.K.の「My Crew, My Dawgs」に収録の「I Believe」が使われている。発売元であるビクターエンタテインメントに連絡を入れたところ、やはり本件については把握していなかった。同社では、これから関係各所に確認をとるとのことだった。

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続いて、新日本プロレスに取材を申し込んだ。応対した制作担当のスタッフによると、現在は興行中のため、正式に回答できる立場にある広報担当者が不在らしい。週明けならば回答を得られるかと尋ねたが、いつになるか分からないとのこと。同社内で著作権関連の手続きを担当するスタッフは誰なのかと聞いたが、それも不明であるという。

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上述の2本以外にも、同様の動画は他にも各種あり、既に配信から長期間が経過しているものも確認できる。当サイトが取材したいくつかの企業からの回答に共通していたのは、スポーツ関連の公式な動画の配信に伴う著作権法上のトラブルは、これまでに経験していないということだった。

もし手続き上の不備があったのだとしたら、新日本プロレスの信用に関わるものであり、早急な対応が必要だろう。

追記(2010年6月8日)

このたびJASRACへの取材の結果、前回の記事で企業側の説明として記した内容の一部に、不正確と思われる部分があることが判明しました。音源の使用者が著作権について申請した場合、JASRACからの通知は申請者のみに届き、著作隣接権を有する企業には届かないとのことです。該当箇所に取り消し線を引き、削除扱いとしました。なお、著作隣接権に関する新日本プロレスからの申請が企業側に提出されていなかったことは、前回の取材時に確認済みです。著作隣接権については、続報をあわせてご覧ください。



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