●更新日 02/27●


テレ朝スーパーモーニング移民問題特集の異常な内容


テレ朝系「スーパーモーニング」の2010年2月25日の放映内容に、多くの異論が提起されている。

この日は、日本の移民政策を特集し、移民1000万人構想について出演者らが討議した。そうした議論がなされにくいのは、日本には法務省を中心に強い治安思想があり、「外国の移民を入れないという強い国家の意思がある」ためであると、鳥越俊太郎は述べる。

2010年2月25日放映「スーパーモーニング」

番組では、政策の成功を前提に話が進められ、仕事そのものが少ないことや日本人労働者が過剰であることへの言及は避ける論調だった。それに対して、ラモス瑠偉が「働く場所がないと、来ても意味がないですよ」と問題を提起。さらに、「どういう人が入ってくるか分からないじゃないですか」と述べ、治安が悪化する危険性を指摘した。

その後、ローソンの2009年4月の新入社員32%が外国人であるという実態が示された。日本人だけの発想ではワンパターンで、企業の成長には足りないという。すると東ちづるは、ローソンには外国人店員が多いなどと、社員の雇用と無関係な話を始め、「すごくかっこいい人が多いの」と発言。

「リトル・ブラジル」と呼ばれるブラジル人が多い地域に話題が移ると、現地で支援活動を実践するラモスが問題を指摘した。働く場所がなく、子供は学校に行けないために犯罪に走りやすいという。そして、移民1000万人構想について、「あれはバカバカしい」と切り捨てた。

鳥越俊太郎・東ちづる・ラモス

統計では、日本は働きたい国ランキング44位であり、物価の高さや景気悪化が支障になっているのではないかという。これについて東は、「自分たちが中心」という日本人の意識を変える必要があると力説した。しかし、言語の壁など様々な要因があることは話題にもならなかった。番組の結論は、「家庭で移民を日々考えよう」だった。それによって偏見もなくなり、もっと自由な雰囲気になるというが、「ありえない」とラモスは失笑した。

当サイトの読者で市民団体に関わる人物に、番組を見てもらった上で、この結論に関して意見を求めた。すると、「政策的な問題が、いつの間にか精神論にずらされていて論外です」と絶句していた。少子・高齢化についての議論の蓄積を無視し、多角的な検討がなされず、各種の条件も問われなかったことが残念だという。

これは、移民推進派であれ反対派であれ、この問題を真剣に考えてきた人々に対する侮辱であり、出演者たちの自己満足に等しいのではないか。

少子高齢化を扱ったミニコミ誌



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