●更新日 02/25●


板橋で盗撮教師を逮捕、なぜ学校名が報じられないのか


2010年2月16日、東京都板橋区の区立小学校教諭・中森慎一郎容疑者が逮捕された。

18日の共同通信の記事によると、容疑者は勤務先の小学校の女子トイレにビデオカメラを設置し、盗撮を試みた。事件が発覚したきっかけは、清掃中の職員が、個室内にあったカメラに気付いたことである。すると、現場の近くにいた容疑者が清掃の職員に「副校長に報告する」と述べて、カメラを持ち去ったという。

その後、容疑者は保存されていた画像を消して、カメラを教室内に隠した。以後、カメラを持って行ったはずの容疑者から、副校長に報告がなされることはなかった。職員らが探しても、カメラは見つからなかった。そのため、不審に思った副校長が問いただすと、容疑者はカメラを隠したと認めたとのこと。

この事件は新聞やテレビで一斉に取り上げられたが、容疑者の勤務先に関する情報は全く報じられなかった。その理由とは、一体何なのだろうか。当サイトでは容疑者の勤務先を特定した上で、板橋区役所内にある同区教育委員会事務局指導係に取材を申し込んだ。



担当者によると、子供たちへの影響を考慮して、学校名を公表することを差し控えたという。「子供たちへの影響」とは、具体的には、心のケアに関わるものであるとのこと。学校名が知られることでマスコミが現地に殺到すると、登下校時の子供たちに動揺が走る可能性があると判断したそうだ。

本件に関して、もう一つ気になる点がある。それは、勤務先の小学校のHP等の、容疑者についての情報が掲載されていたページが、いつの間にか削除されていたということだ。この点について問うと、教育委員会の担当者は「確認できていません」という。そこで、小学校にも取材を申し込み、副校長に話を聞いた。





同氏によると、当該のページを削除したことは事実であるという。マスコミで報じられて事件を知ることになると、子供たちが大変動揺するだろうと考えたそうだ。ページの削除は、子供たちへの適切な教育を行なえる態勢を整えるための行為であり、「教育的配慮」であったとのこと。その後、全生徒に向けて、校長を通じて事件についての説明がなされたという。

容疑者の日頃の勤務態度を問題視する真偽不明の情報も、一部に出回っている。そのことについては、教育委員会も学校も知らなかったようだ。また、出回っている情報の内容が事実であるか否かも、現時点では確認できていないとのことだった。




探偵T



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