●更新日 02/04●


相撲協会選挙問題に揺れる大嶽部屋、地元は冷たい反応



貴乃花親方の出馬に端を発する日本相撲協会の理事選挙問題。

紆余曲折を経て無記名投票になったにもかかわらず、貴乃花親方が当選後は、造反者の捜索が試みられたと報じられた。その後、大嶽部屋での会見で安治川親方が自らの造反を告白。一旦は退職を表明したが、今度はそれを撤回するに至った。その過程で、大相撲の世界の古い体質に対して、多くの人々から非難の声が集中した。

この問題について、大嶽部屋がある東京都江東区の地元住民は、どのように考えているのだろうか。2010年2月3日に現地へ赴き、人々に話を聞いた。部屋からそう遠くない距離にある店に客を装って入り、今回の件について話題に出したところ、「その話は、ちょっと勘弁してください」という。部屋と何らかの接点があり、話しづらいのかもしれない。

大嶽部屋が注目を集めていることについて、地元の人々はそれほど関心がないのだろうか。一例として、道で大きな荷物を提げて通りかかった女性は、次のように述べた。「いくら近いっていってもね、あそこと関係あるわけじゃないし。地元との交流は、そんなにないんじゃないかな。だから、個人的にどうこうってことは別にして、どうでもいい話っていうか…」。

一通り聞き込みを終えて、最後に大嶽部屋へ向かった。雨は雪へと変わり、降りは強さを増していた。部屋の近辺は人通りもほとんどなく、静まりかえっていた。偶然、力士2名が向こうから歩いてきたが、他の部屋の所属のようで、会話をしながら通り過ぎていった。このあたりでは、日常的な光景なのだろう。

  

部屋からは人の出入りがなく、周辺にはマスコミ関係者の姿も見られなかった。ただし、部屋の前には、親方らの出入りを待っているマスコミ関係者と思われる、後部座席の窓がスモーク張りになったワゴン車が停まっていた。建物の裏手に回ってみたが、中から光が漏れているのを確認できるのみである。


ちなみに、造反者の捜索がなされたことについては、やはり地元の人々にも否定的な声が強いようだった。「無記名投票した意味がない、これが国技だなんて恥ずかしい」、「外人力士の品格に注文をつけるよりも、あいつらの言う大相撲の「伝統」とやらを変えることの方が先なんじゃないか」といった声が聞かれた。

かつて、大相撲では八百長疑惑の真偽が話題になった。そのような疑いをかけられてしまう背景に、この世界に特有の古い体質があったことは否めないだろう。



探偵T



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