●更新日 08/01●


ミス・ユニバースの衣装に「著作権侵害」疑惑浮上


一昨日の記事で扱ったミス・ユニバースの衣装をめぐる問題に、新たな火種が発生している。 (関連記事 1 2)

衣装に対して膨大な数の批判が寄せられた結果、デザインを変更するに至ったようである。この点について、衣装をデザインした緒方義志氏のブログでは2009年7月30日の更新にて報告した。「プロデューサーである緒方としては 短いままでも全く問題ないという考えだったようです」とのこと。だが、協力企業の強い意向で、「製作チーム全員が納得できるスタイリングを完成させる」ことになったという。


緒方義志氏のブログ


この記述の直後には、「しかし 着物の着丈が変わったくらいでは この衣装の持つ魅力は全く変わりません」とあり、この一言がまたもや人々の反感を買ってしまった。当該の更新の題名が「ゴホウコク」とカタカナ表記だったことも、挑発的なものと受け止められたようだ。ブログは再び炎上し、1100件以上の書き込みがなされている。


緒方義志氏のブログのコメント欄


フランスのブランドDiorの服を参考にしたという衣装は、法的に見て問題があるのではないかという意見も出ている。日本では、ファッションは登録を要する意匠法の保護対象であるが、フランスでは著作権も含めて保護されていることがポイントだ。

フランスの知的所有権に関する法典の「112-2」は、流行と共に変化する季節産業の生産物が保護対象であると明言している。また、作者は、自身の作品によって排他的に利益を得る権利があると、「123-1」に記されている。したがって、無断で作品を複写・模倣することは認められない。

前回触れたように、Diorの企画展に関する「Vogue」の記事の写真を参考にして衣装を依頼したと、プロデューサーのイネス・リグロン氏はブログに記した。その写真の服は、ピレリカレンダーの2008年版に元々は収録されていたものだった。この点をイネス氏が把握していたことは、ブログの記述でも明らかだ。


イネス・リグロン氏のブログ


アパレル業界関係者によると、Diorが当該の衣装を複写・模倣と捉えて問題視するかどうかということが、今後の焦点ではないかという。同氏曰く、「Dior Hommeは、エディ・スリマンがデザイナーだった頃は特に人気で、日本でもコピー品に等しいような服が多くのブランドから発売されていました」とのこと。

今後の展開次第では、ファッション業界全般のデザインの在り方に一石を投じる問題に発展する可能性もありそうだ。



探偵T



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