●更新日 10/26●


広島市現代美術館、空に「ピカッ」の次は「黒い花火」


広島市現代美術館での原爆関連の企画に対する疑問が、各所で提起されている。

2008年10月21日の午前中、同市上空に芸術家集団「Chim↑Pom」が飛行機で「ピカッ」と書いた。これに対して、市民や被爆者らから批判が寄せられた。美術館の学芸員も容認していたとのことで、その責任も問われた。原田康夫館長は、今回の件とその対応が不適切であったと認め陳謝したと、24日の朝日新聞は報じている。

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24日の中国新聞によると、当初は空を光らせる計画だったが、「広島では受け入れられない」と学芸員に言われ、内容を変更。その際に学芸員は、事前周知をしないで「ゲリラでやるのがいい」と助言したとのこと。一方、神谷幸江学芸担当課長は「当初からこの作品を展示する計画はなかった」と述べ、証言に食い違いが出ている。

また、22日の同新聞の記事で神谷課長は、「悪ふざけではないと信頼している。作家の行為の是非について私が判断はできない」と説明。「どんな議論を生むか、そこが面白いところ。被爆者団体の意見がすべてではない」と述べたが、これに対しても批判が続出した。

更に、美術館が25日から開催する「第7回ヒロシマ賞受賞記念 蔡國強展」の企画の一つ「屋外プロジェクト 打ち上げ花火プロジェクト〈黒い花火〉」を問題視する声も出ている。美術館HPによると、「戦争と平和、破壊と再生について問いかける」企画とのことだが、「Chim↑Pom」の行為とどこが違うのかとの意見が多い。

「黒い花火」について、美術館側はどう考えるのか。また、原田館長の陳謝は、神谷課長の上記コメントも美術館は撤回したということを意味するのか。探偵ファイルでは24日の夕方、美術館に電話取材して、これらの点について尋ねた。だが、担当者が不在で戻る時間も未定のため、回答できないとのことだった。

今回の件が話題になると、「Chim↑Pom」メンバーのエリイのブログに非難の書き込みが殺到し、炎上した。すると、「無人島プロダクション」HP等からエリイに関する記述が消え、上記ブログも閉鎖された。

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また、「オーマイゴッド〜気分はマイアミビーチ〜」という企画が、諸事情により22日をもって終了したとの告知が掲載された。

「Chim↑Pom」の行為は本当に芸術なのかと疑問視する声も多い。だが、美術館の対応を見ると、関係者でさえ芸術と悪ふざけの境界線は曖昧なのかもしれない。



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