●更新日 09/21●


「イキガミ」騒動、新たなパクリ疑惑が次々に浮上!


昨日の記事で扱った、漫画「イキガミ」のパクリ疑惑の続報をお届けする。

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「イキガミ」のパクリ元と推測されていた星新一氏の「生活維持省」も、他作品の設定に酷似しているのではないかという疑惑が新たに浮上した。指摘されているのは、ロバート・シルヴァーバーグ氏の「生と死の支配者」という1957年の作品だ。

シルヴァーバーグ氏の公式HPには、同作品のストーリーが掲載されている。2232年、地球の人口が増大し制御が困難となり、人口を調整するための機関を国連が設置したという設定だ。その機関に課せられた使命には、人口の再分配、他の星への移住可能性の模索と並んで、生存が望ましくない人々の安楽死がある。

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この物語が、「国民の命をランダムに奪うことによって人口を抑制し、それによって国民の生活水準を高め平和を保つという法律」(星氏のHPより) という「生活維持省」の設定に似ているのではないかというのだ。「生活維持省」の発表は、「生と死の支配者」発表の3年後の1960年であり、星氏が同作品を読んでいた可能性もあると推測されている。

一方、昨日も記したように、「イキガミ」は戦時中の「赤紙」にヒントを得たという。だが、赤紙よりも同作品の設定に近いと思われるものがあるとの情報が、生命倫理の研究者から探偵ファイルに寄せられた。

同氏が指摘するのは、倫理学者のジョン・ハリス氏が1970年代から80年代にかけて提唱し広まった、「サバイバル・ロッタリー」だ。これは、功利主義の思想を説明するものとして掲げられた物語だという。

臓器移植を受けなければ死んでしまう二人のために、抽選で選ばれた一人が殺されて臓器を提供する。そうすれば一人の犠牲で二人が幸福になるが、これをやらないと二人は死に、生き残った一人しか幸福を得られない。より多くの人が幸福を得ることが正しいなら、二人のために一人が犠牲になることが適切であるという説明だ。

「イキガミ」では、国民の命が予防接種によってランダムに奪われるという仕組みが、人々に生命の大切さを実感させ、結果として国家の繁栄をもたらすとされている。この発想は、「最大多数の最大幸福」という功利主義に通じるものがあるかもしれない。

ちなみに、「関係者から聞いた話」として、今回の騒動の背景が2ちゃんねるに書き込まれている。その真偽は定かではないが、妙にリアルな部分もあって興味深い話である。

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