●更新日 01/05●


TBSの告知に偽り?指摘した2chスレ強制停止


2007年1月3日、TBSで「新春超歴史ミステリー古代ローマ1000年史!!空前の巨大帝国全解明スペシャル」が放映された。この番組の告知内容に偽りがあると指摘した2ちゃんねるのスレッドが突然、強制的に停止されていたことはご存知だろうか。



番組HPには、次のように書かれている。「原作は、世界初のローマ通史とも言われる"ローマ人の物語・全15巻"。番組は、作家・塩野七生が15年の歳月を経て完結させたこの独特の世界観を忠実に映像化!空前のスケールで描かれた英国BBC制作の超豪華再現ドラマを交えつつ(後略)」



これを読むと、BBCがこの番組のために再現ドラマを制作したかのような印象を受ける。一方、番組HPの「スタッフ」という項目を見ると、次のように記されている。「製作:TBS 制作:TBSテレビ 原作:塩野七生「ローマ人の物語」 制作協力:BBC/ディスカバリー・チャンネル/ZDF/RAI」

こうした記述は偽りではないか、という指摘をしたスレッドが1月3日19時に、2ちゃんねるのニュース速報に立った。スレッドのタイトルは、「TBSがまた捏造。BBCが製作したドラマを「BBCの協力で再現」と」。

番組で使用された映像は、今回の企画のために作られたものではないのだから、「英国BBC制作の超豪華再現ドラマを交えつつ」という表現は適切ではないと指摘された。当該の映像は、2006年に作られDVDも発売されている、エドワード・バザルゲット監督の映画「ガーディアン ハンニバル戦記」(原題は「Hannibal: Rome's Worst Nightmare」)のものであるとのことだった。

番組中で使用されたのは他の作品ではないか、との諸説もネット上では飛び交っていた。そこで、探偵ファイルではTBS関係者に確認をとることにした。関係者曰く、「「ガーディアン ハンニバル戦記」で間違いありません。他にも、複数の作品を使用しているようです」とのことだ。



TBSとしては、番組はあくまでも「ローマ人の物語」に依拠して構成されたものであると言うだろう。現地リポート等と「英国BBC制作の超豪華再現ドラマを交えつつ」、制作された番組という位置づけのようだ。とはいえ、上記のような事情を知らなければ、番組中で流れるドラマの部分は、この番組のために作られたと思ってしまうのではないだろうか。



2ちゃんねるの当該のスレッドは、スレッドが立った19時10分から僅か11分後の19時21分の書き込みを最後に、強制的に停止させられてしまった。そのため、このスレッドを見た番組関係者からの圧力がかかったのではないか、との推測がなされた。



また、テレビ番組表に掲載された、この番組の告知内容にも注目したい。各サイトの番組表を見ると、「塩野七生の超ベストセラーを本格映像化!!」とある。これだけなら、塩野氏の作品の世界をBBCの映画作品を用いて再現したという、苦し紛れの言い訳が可能かもしれない。

ところが、告知には「作家の塩野七生さんの著書「ローマ人の物語」を英国BBCが映像化」とも記されているではないか。「ガーディアン ハンニバル戦記」に関する海外の情報も一通り確認したが、この映画作品と塩野氏の「ローマ人の物語」が連動しているとの情報は皆無であった。ということは、テレビ番組表に記載されている事柄は明らかに誤った情報である。この情報をTBSが番組表に配信したというのであれば、捏造であると言わざるを得ない。



更に、当サイトが確認した時点で既にgoogleの検索結果表示でしか見られなかったのだが、「英国BBCが制作した塩野七生原作の「ローマ人の物語」の大型再現ドラマを交えながら」という記述のある番組表もあった。「原作」、「「ローマ人の物語」の大型再現ドラマ」という表現は、当該の映像が塩野氏の作品に基づいて作られた、という意味にしかとれないので釈明の余地はないだろう。

そのページやキャッシュを見ると、当該の箇所の記述は「作家の塩野七生さんの著書「ローマ人の物語」を英国BBCが映像化」に既に変更されていた。「塩野七生原作の「ローマ人の物語」の大型再現ドラマ」という表現はあまりにも問題があると判断して、修正されたのかもしれない。



上記のような問題が広まるのを恐れて、スレッドを停止させたのだろうか。真相は定かではないが、告知内容に問題があったことには違いない。不祥事が発覚するたびに形式的な「謝罪の意」を表明するTBSだが、今回はそれもないまま沈黙を守り続けるのだろうか。




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