●更新日 11/10●


生活指導を行なう大学が急増、ついに教員も対象に?


風紀が乱れないようにとの理由で、徹底した生活指導を実施する大学が全国各地に見られるようになってきたという。しかも、その対象は学生ばかりではないようだ。


2007年11月9日の読売新聞によると、西武文理大学では、朝の登校時に校舎入口付近に教員が数人立ち、学生に「おはよう。ちゃんと勉強してるか」などと声をかけるという。「あいさつで日本一」、「服装・身だしなみで日本一」といった標語の掲示も学内にあるとのこと。鳥取大学では、新入生が学生食堂で教員や先輩と食事をする「朝食会」が実施されているが、目的は1時限目から学生に出席させることだという。金沢大学では新入生の必修授業で、ノートのとり方ばかりか、ゴミの分別の仕方、交通標識の見方まで教育しているというから驚きだ。


この記事の中には、もう一つ気になる大学がある。それは、ノースアジア大学。「「教育指導室」という部署を新設。元高校教諭やメーカーの元営業マンらスタッフが、学内を巡回しては、講義中にイヤホンで音楽を聴いていたり、携帯電話をいじったりしている学生を注意する」とのこと。実はこの大学、探偵ファイルでも過去に取り上げたことがある。2006年10月25日のスパイ日記で扱った「茶髪禁止大学」秋田経済法科大学が、2007年度から大学名を変更していたのだ。



そのノースアジア大学が最近、週刊新潮でも取り上げられていたことはご存知だろうか。2007年11月8日号に、「秋田経法大を乗っ取った「創価学会」弁護士の「伝書鳩スパイ網」恐怖政治」と題した特集記事が掲載されている。



同大学理事長の小泉健氏に関する評判が記事の主題だが、大学の管理体制についても興味深い記述が多々あり、読売新聞の記事の内容と重なる部分もある。
「小泉理事長の意見に反対したり、悪口を言った教職員は、呼びつけられて懲戒免職か、辞表を出すか、どちらか選べと迫られます。誰でも退職金が貰えなくなるのは困るので、退職願を出すわけです。この1年半の間で、定年でもないのに、辞めた教職員が10人近くいますし、来年の春にも同じくらい退職者が出る見込みです」
「理事長の方針に疑問を差し挟んだだけで、准教授からヒラ講師に格下げされ、部長から課長に降格……。突然、100キロも離れた系列校に勤務地を変更されたケースもあります。覚えている限りでは、高校の校長が1年の間に3人も替わりましたね」
「秘密警察と呼ばれているのは、理事長直属の教育指導室です。ここには、理事長と同じく伝書鳩を飼っている人物が鳩つながりで雇われています。彼らは講義中の教室にも自由に出入りする権限を与えられていて、学生が寝ていると起こしたり、携帯電話をいじっている学生を注意する役目です。その一方で、講義風景をビデオ撮影したり、教員のことも監視するスパイ網なのです」

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では、なぜこういう状況に至ったのか。以下は、前者が教職員OB、後者は教育指導室室長代理のコメントとして掲載されているものである。
「小泉理事長は、教授や准教授たちの研究費の使い方や論文の提出具合を徹底的に調査したのです。その結果、ほとんどの教員たちがろくな研究もせず、旅行や飲食費などに使っていたことがわかってしまった。つまり、怠慢な教員の方にも非があり、小泉理事長に弱みを握られたのです」
「今までが甘かったんですよ。ぬるま湯。そこにあんな方が来て、ピシピシやると誰でも窮屈になる。でも、理事長はすごい情報網を持っているよ。私は、理事長に聞かれたことしか答えないけど、先生同士のチクリが多いです」


ネット上でも、この大学の管理体制は過剰だという批判的な声が多い。一方で、そういう方針が採用される以前は、学生や教員の大学生活はあまりにもひどかったという指摘も少なからず見られる。とはいえ、生活指導など行う時点で、既に大学として機能していないのではないかと思うのだが・・・。




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