●更新日 10/04●


またアサヒった?!朝日沖縄抗議集会記事に産経が噛み付く


2007年9月29日に行われた、沖縄戦での集団自決に関する教科書検定への抗議集会。この集会についての朝日新聞の報道は虚偽であると産経新聞が批判し、大騒ぎになっている。

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2007年10月3日の産経新聞「産経抄」欄によると、朝日新聞が報じた集会の参加人数11万人は「主催者発表」の数字だという。朝日新聞はそれを鵜呑みにしたというのが、批判の要点だ。記事中では、次のように批判を展開している。

「▼抄子は宜野湾市内にある会場を何度か訪ねていますが、会場の面積は約2万5000平方メートル、つまり160メートル四方に過ぎません。当日の航空写真を見ると空きスペースもあり、どう数えれば11万人にもなるのでしょう。▼もったいぶってすみません。関係者によると、参加者は最大で4万3000人だそうです。沖縄の警察は、主催者の反発を恐れてか真実を発表できないのです。」

この記事が掲載されると、それが正しいかどうかを検証する人々がネット上で続出した。会場の様子を撮影した航空写真を用いて検証した人は、2ちゃんねるの掲示板に以下のように書き込んだ。「航空写真から算出した概算面積150m*150m=22500平方m  11万人動員との報道より 110000 / 22500 = 4.8888888人/平方m  1平方m以内に5人弱?座るスペースなんかありません どう見ても座っています本当にありがとうございました」。
また、実際に数えて計算してみた人もいたようで、結果は14000人弱だったとか。

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産経新聞による批判は関係者の証言を得ているようだが、ネット上での一連の批判的な意見に対しては反論も出ている。批判の根拠とされている画像は開会式が行われた午後3時頃に撮影されたもので、画像にある広場以外にも多くの人々が集まっていたという。また、各種の地域施設も集会用に開放されていたとのこと。これらを考慮するならば、一部の画像だけから主催者発表を虚偽と決め付ける根拠にはならないはずではないかというのだ。

このような状況を、専門家はどのように分析するのだろうかと思い、コミュニケーション論を研究する社会学者に電話取材したところ、以下のようなコメントを得られた。


「朝日新聞や主催者側に味方するつもりは全くないですが、産経新聞の力点の置き方には疑問がありますね。この問題の論点は元々、教科書検定についての賛否だったはずですよね。それに関する集会の人数が主催者発表通りなのか、それは捏造なのかというのは、いわば枝葉末節ではないですか。産経新聞は単に朝日新聞を叩くことを目的に、このような記事を出したのだと思いますが、かえって問題の論点を曖昧にしているように思えます。朝日新聞や抗議集会主催者側の主張を批判するのならともかく、今回の記事にどれほどの意義があるのでしょうか。この記事を見て、朝日新聞の信頼度がまた落ちたという意見もあるかもしれません。ですが、新聞報道への信用の問題ということであれば、具体的な根拠を出さないで叩いている産経新聞に対しても、批判的であるべきです。マスコミの報道に対して集団心理が作用する時は、概して問題の本質から遠ざかりがちです。教科書検定の問題こそが主要な議論の対象だということを、再確認してほしいですね。」


ネットではともすればマスコミを叩く流れになりやすいが、集団心理に飲まれ「叩くがために叩く」といった状態に陥らないよう注意すべきであろう。それをしてしまっては普段、「マスゴミ」と呼称し卑下している、偏向報道をするマスコミと同じ行動をとっているからに他ならないからだ。

ところで、産経の今回の記事には、「でも、11万人は主催者発表の数字です。記者は何の疑問も持たなかったのでしょうか」とあるが、前日2日の同欄には、「11万人(主催者発表)が参加した」と書かれている。2日の時点では、産経の記者も疑問を持っていなかったということだろうか・・・。



高橋



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