「私は９０万円以上の被害に遭いました。お金を返してほしいです」

芸能プロダクションＳの詐欺疑惑。
今回の取材で最も被害額が多かったのがＡ子さんである。

彼女が被害に遭ってしまったのは、今から３年ほど前。
池袋の路上で男性スカウトマンに声をかけられ、社長である元小悪魔ａｇｅｈａモデルＮの名刺を渡されたという。



「エキストラの事務所だと言ってました。当時、私はバンド活動をしていたんですが、『音楽をやってる人もいるからやってみない？』って誘われて、ちょっと興味を持ってしまったんですよね」

音楽活動をしていたことから興味を持ったＡ子さんは、とりあえず話を聞きに事務所へ向かう。
そこからは、「エキストラの仕事はＬＩＮＥで流す」という説明を受け、グループＬＩＮＥに登録するためには写真撮影代の５万円が必要というこの事務所の定番コース。

５万円を支払いグループＬＩＮＥ登録は済ませたが、ここから先が他の被害者と違うのは彼女がミュージシャン志望であるということ。
その為、「音楽活動の方では音源を作る必要がある」と、ごもっともな説明も受けることになる。

「ＧＡＣＫＴのスタジオで５曲、それとは別に１曲。新宿の街頭ＶＩＳＩＯＮでＰＶを流すことが出来るって言われました。歌のレッスンも無料でしてくれるとも言ってましたね」

ＧＡＣＫＴというビッグネーム、高額な費用は掛かるけど歌のレッスンは無料という飴と鞭の使い分けに揺れるＡ子さん。
この後、彼女の気持ちに追い打ちをかける出来事が起こるのだ。

「実際にＧＡＣＫＴさんのスタジオに連れて行かれたんです。雑誌とかで見たことのある場所を見せられてすっかり信用してしまいました」

突然目の当たりにしたプロユースのスタジオに舞い上がってしまうのは、ミュージシャン志望なら当たり前のことだろう。

彼女は高額の楽曲制作料を支払ってしまったのだ。
次回に続く。



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