炎上騒動の官僚が軍事機密を漏洩?経済産業省に取材
一昨日の記事で扱った、経済産業省の官僚によるブログでの暴言をめぐる炎上騒動の続報を配信する。今年6月に日本貿易振興機構へ出向していたが、今回の騒動で解任され、経産省より懲戒処分(2か月の停職)が下された。
2010年7月の更新内容によると、「アメリカの秘密基地のミサイル課長と共同議長で会議だった」。「あと6年くらいすると、日本の国をキムなジョンイル様の国からのミサイル攻撃から守ってくれる新型防衛ミサイルとなって、ほんとに配備される」という。
開発時期から判断して、対艦ミサイルXASM−3を指していると思われる。当時、このミサイルは対中国海軍を想定と報じられた(防衛省は、特定の国を想定していないと反論)。ブログの内容が事実ならば、真の標的は北朝鮮であるという、軍事機密漏洩の可能性を否定できない。
この人物は、防衛省に勤務していた時期もある。経理装備局システム装備課の課長として、ミサイル関連の業務にも携わっていた。2011年7月の更新では、イスラエル、アメリカ、韓国等の情報機関との交流を自慢している。
26日、経済産業省に取材した。軍事機密漏洩疑惑に関しては、全く知らなかったそうだ。どこで該当内容を見られるのかと問われたので、関連情報を提供した。これから調査がなされる模様だ。
前回扱ったインサイダー取引疑惑についても尋ねたが、株は当人が個人としてやっていたものであり、コメントすべきことはないと担当者は述べた。しかし、彼が株を所有していたJALの再建には、経産省が関与していた。その過程で、彼が不適切な関係を持った可能性は全くないと明言できるのか。
このように尋ねたところ、そこまでは把握できていないという。それならば、詳細な事実確認が必要なはずであり、再調査を担当者に要請した。
その他の証拠画像は、こちら
※モザイク加工は当サイトによるもの
追記(9月28日)
自衛隊に勤務経験のある読者から、本記事の掲載内容について情報が寄せられた。当該のブログに書かれているのは、対空ミサイルSM−3の可能性もあるのではないかという。もしそうであるならば、対北朝鮮を想定している点も一致するとのこと。ただし、北朝鮮への対応としてSM−3を2016年頃に新たに配備するという公式発表は、2010年当時にはなされていないはずだという。したがって、ブログの内容がSM−3を指していた場合にも、事実であるならば軍事機密を漏洩した可能性を否定できないとのことだった。なお、経産省への情報提供時には、ブログの内容が何を指しているのかということを当サイトとしては断定せず、その点を慎重に調査してほしいと伝えてある。
高橋
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