●更新日 12/11●


アイドルから大御所まで、芸能界の常識は世間の非常識?


芸能人の失言がマスコミで話題になることは珍しくない。
最近も、12月4日に放映されたテレ東『よろセン!』での、℃-uteの中島早貴の発言が問題になった。
世界の偉人を紹介するというコーナーで、中島がヒトラーを挙げてしまったためである。

you tube 中島早貴

ヒトラーといえば、とりあえずは「ユダヤ人虐殺」や「独裁者」という言葉が連想されるだろう。
公共の電波で『偉人』と言ってしまうと賛否の別れるところである。

が、中島は直筆と思われるヒトラーのイラストを公開し、「ヒトラーおじさん」と親しみを込めて呼んでしまった。

また、ナチス政権下で人々を煽り立てたとされるヒトラーの演説を、「癒しの効果」と賞賛。
番組では、それに対して他の出演者らも爆笑し、トークが展開されたが、放映後ネット上ではこの内容を問題視する声が続出。


『中島や番組関係者らはあまりにも非常識ではないか』
『放映までの過程で問題視する意見はなかったのか』
といった批判が殺到し、実際にテレビ局等へ問い合わせる動きまでもあったようだ。


この件が報じられると、番組関係者は素直に謝罪。
番組を制作したエス・エス・エムのHPには謝罪文が掲載された。

『歴史認識に基づく不適切な内容』という結論に至ったとのことで、『社内のチェック体制の甘さ、また平生のスタッフ教育の至らなさ』があったと述べている。


だが、このような状況に対し、ある種の留保が必要だという声もある。


「番組制作側に不備があったことは明らかです。では、出演者たちはどうなのか。特に子供の頃から長く芸能界にいると、いわゆる普通の教育を受けないまま特殊な環境で育ってしまう。だから、彼らにとっての『常識』と世間の価値観は一致しないこともよくあります。その点をどうするか、どうやって世間の常識も身につけるかという根本的な問題を無視して、芸能人へのバッシングが繰り返されるだけでは、何の解決にもならないんじゃないかと思うんです」(テレビ東京の番組制作に関わる人物)


同氏は、芸能界の常識と世間の常識の不一致について、ある演歌の大御所の話を例に語った。


「演歌の大御所で、大名行列のように弟子たちを並ばせて廊下を歩く人物がいます。普通なら、狭い廊下を横に並んで歩くのは通行の邪魔だし、マナー違反でしょう。ところが、彼の弟子に言わせると、『行列の横を通って師匠を追い抜かしていく人がいるなら、それは師匠に対して失礼に当たる』んだそうです」(同上)


芸能界は、時として独裁的な実力者たちとの人間関係、業界独自のルールに耐えていけなければ生き残っていくのは難しい。

たとえ世間の常識とのズレに気がついたとしても命令に従う、それもまた芸能界の常識なのだろうか……。



芸能探偵



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