●更新日 07/07●

稲川淳二 一番怖〜いのは・・・・・・


稲川淳二といえば、怖〜い話をするおじさんということで大概の人には認知されていることだろう。


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▲丸いフレームの目がねに立ち襟スーツはインテリさをかもし出している

一時期は『はいすく〜る落書』('89年)などのドラマやバラエティ番組でも活躍するタレントとしてずいぶんテレビで見かけていたが、最近はとんと姿を見かけなくなっていた。
この怖〜い話をするおじさん、実はインテリアデザイナーのお仕事も手がけているのだ。

略歴を辿ってみると、それはテレビに出始め有名になる以前からのようで、高校卒業後に桑沢デザイン研究所で学び、平成8年には通商産業省選定のグッドデザイン賞を獲得するまでに至っているほど。
さらに、好きなものは“風と鳥”であるという怖い話のおじさんとは思えない意外に爽やかな一面も持っているのである。

現在、日本では韓国映画ブームのようなところがあり、昨年公開されたホラー映画『ボイス』のウケがよかったからか、アン・ビョンギ監督の過去のヒット作『友引忌(ともびき)』が先週から公開されている。
怖い系といえばの稲川が、その映画会場に怖い話を持ってきたのだ。


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「霊界の伝導師っていうの、私恥ずかしくってね・・・・・・」と言いつつもやはり怖い話をせずにはいられないらしい。

あるタクシー会社の電話番号教えてくれましてね。詳しくは聞いてくださいって言うから聞いたんですがね。
ある地方での話なんですがね、深夜タクシーの運転手さんが、客を送って帰ってきたんですよ。これ、やたらと眠いんだ。あ〜、眠いなぁ〜と思って。それで、仮眠して帰ろうと思ってね。田舎道、車を道路の端に寄せといて、そのままシートを倒して横になって。うつ〜らうつ〜らしてたんだ。
そうするとコ、コ、コ、コ、コ、コ、靴音がするんだ。

「ん〜?」

見ると窓のところに男が立ってる。

「あれ?このあたりまったく人家がないんだ。どっから来たんだろ?なんだ?」

こんなところでタクシーの客がいるのかと思って、眠いのにヤダなーと思って。自分と同じ方向に帰るのかと思って一応ね、行き先聞こうと思って窓開けたんだ。するとその窓の外から

「携帯かけてもらえませんか?」

って。

「はい?」

すると男がね、



「指が無くてかけれないんですよ・・・・・・」

って。右手に指が無かったっていうんですよ。こいつ気味が悪いやっちゃなーと思ってね。で、不思議だったんで

「お客さん、あんた今どっから来ました?」

って聞いたら、だまーってスーっと指すんですよ。その方向には月明かりで草が立ってるんですよ。するとね、草の向こうに、こう、レールが見えるんですよ。「電車が通ってんだな、あそこ」と思って見てたら、その塀に花束が並んでたんですよ。
で、一瞬運転手さん“はっ!!”と思ったの。そういえばどのくらいか前に、信号機の道でもって客車と貨物列車がね、衝突したっての「あー、このあたりだったのかな!」と思ってお客さんの方をフっと振り返ったら。



・・・・・・もうお客さんの姿なかったそうですよ。辺りは、ッシ――ン・・・・・・として人家一軒もなくて。で、慌ててね、方向変えて逃げ帰ってきたって話をねしてもらいましたよ。
あるにはあるんですね、現実にいまの世の中にも・・・・・・

と、このストーリーを劇的な短かさである2〜3分で話してくれたわけだが、
どんなに怖〜い話してくれても、



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この顔には負けますよね・・・・・・





★12年目を迎える立川発の稲川淳二怪談ライブ『ミステリーナイトツアー2004』が7月31日からはじまるよ!

『友引忌(ともびき)』

2000年/韓国/97分/監督・脚本:アン・ビョンギ/キャスト:ハ・ジオン、ユ・ジテ、キム・ギュリ他/配給:松竹株式会社
★新宿シネマミラノ ほか全国にて公開中!



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