突然の勝手な手紙を出す無礼をお許しください。
TBSから、現在、ある音楽番組をやれないか?という打診があります。
そして考えました。
自分の歌を歌えばファンの人は喜んでくれるだろうけれど、
それは目指すものではなさそうだ。

そして、さらに考えました。
僕等のような音楽をやって来た者にとって、
今、大切な事は何だろうと思ったのです。
それは同じ時代を生きてきて、音楽を創った人達を認め、愛し、
尊敬することなのではないだろうかと。

それをこの番組で表現できないかと。
それなら引き受けてみようと。
これは、僕の主観でやろうとしている番組です。
偏見を承知で、批難を覚悟の上で、無数にある名曲から
一方的に7曲を選びました。
時代を創ってきた素敵な音楽達を。

それで、あなたの曲をその一曲に選ばせてもらいました。
随分と前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
この曲を一緒に演奏してもらえないだろうか?
というお願いの手紙だったのです。

これは、アイツがダメだったらコイツという企画ではないし、
もし残念ながら、あなたの不参加が決まったら、
自分ひとりで演奏するつもりで望んでいます。

アーティスト同士が直に触れ合うことで進んでいける場所がある。
音楽としても、音楽という文化の確立としても。
そう信じています。
それが見ている人に伝わるように全力で尽します。
たとえ出演を断られたとしても、あなたへの尊敬の気持ちは些かも変わりません。

秋も深まるばかり。風邪などひかぬよう、充実した活動を続けてください。
小田 和正



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