帰ってきた本田美奈子
〜『アヴェ・マリア』ライヴイベントin石丸電気ソフトワン〜




これから売り出していくグラビアアイドルなどが写真集やDVDを発売する際によくイベントを開催する場所、石丸電気ソフトワン。ここに‘80年代に『マリリン』などのヒットナンバーを飛ばしたあの本田美奈子が生まれ変わって帰ってきた!


写真1


しかし、なぜに石丸電気さん?数々の音楽賞を獲得し‘87年にはベストジーニスト賞(女性部門)にも輝いた経歴の持ち主である彼女が、だ。そう思いもしたが・・・
イベントに訪れた客層は小さい子供からお年よりまでと年齢層が幅広く、アイドル当時からのファンであろうかと思われる家族連れの姿まで見えた。会場はある種の感動に包まれていくこととなる。

まず、このイベントで感じたことは記者の皮膚に鳥肌が立つという反応で返ってきた。バリバリのアイドルで活躍していた彼女とはまるで違っていたからだ。あの当時の彼女の曲はテンポやノリのよい曲が多く、力強いエネルギーを放っていた。その有りあまる強さを持つ声量はまったく変わらずだったが、転身を遂げたあとの本田美奈子に出会うこととなった。

『アヴェ・マリア』の宣伝ポスターのキャッチフレーズでは

「こんなにもやさしく心にしみるソプラノヴォイス。ニュークラッシックの世界をひらく新たなるディーヴァの誕生」

と謳っている。まさにそのとおりの音が耳の穴を通り抜ける。


写真2
▲握手会でファンらと握手している様子


この転身を遂げるまでには彼女なりの苦労もあったのだろう。
一万一千人が参加したミュージカル『ミス・サイゴン』のオーディションに挑戦し、主演の座をこなすも一年間の休業を決意して基礎トレーニングの日々に入ったりと自らの努力惜しまない。それまで本格的なボイスレッスンを経験してない本田にとって、他の生徒らと一緒に学ぶには困難だったよう。下棲みで味わった経験を明るく話してはいたが、くじけないよう自分を叩いてきた感が伝わってきた。アルバムから4曲を披露したのだが、そのあいだ手で顔をぬぐう姿が少々見え隠れした。
参考記事はコチラ→

88歳になる岩崎登紀子先生が彼女を変えたといっていいほどの恩師。本田美奈子が歌う曲の歌詞を手がけた人物であり、古くは越路吹雪や故・石原裕次郎の歌にも携わった偉大なる人物である。出会いのきっかけはミュージカルの「ミス・サイゴン」(帝国劇場で平成4年5月〜同5年9月のロングラン公演)。いつまでも納得いかないレーコーディングにも根気よくつきあってくれ、詩の中に自分の存在や息づく姿を見出すことができたという。
「ひとつのことばを理解するにはたくさんの経験が必要だ」
という恩師の言葉がまだ胸の奥に残っているようで、楽しそうに話していた。


はっせられる言語の隅々には本田美奈子の訴えるものの強さを明らかに感じる。

「歌の力は果てしない力を持っている。肌や心に感じてくれたらうれしい」
その言葉どおりのものを本田は発していた。

強さのなかに優しさを兼ね備え澄んだ透明感のあるソプラノが心の隅々にまで染み渡る。



写真3


また、作曲家の服部克久氏とともにシドニーオペラハウスでジョイントを行った話をしていた。日本のなかでちょっとやそこら人気がある歌手だからといって跨げる敷居ではないその会場で歌声を披露してきたのだ。それは、ある意味さなぎが蝶に生まれ変わったような成長ぶりなのだろう。

耳にする歌声には驚愕すること間違いない。“本田美奈子は消えていない”、その強さを見たイベントだった。


本田美奈子公式HPはコチラ


写真4 『AVE MARIA』
/MINAKO HONNDA

発売日:‘03.5.21
価 格:\2.940
発売元:コロムビアミュージックエンターテイメント


★プレゼント情報はこちら IN!







探偵ファイルTOPへ戻る