榎本加奈子「黒の下着は私のもの・・・」

『戦場のピアニスト』試写会


本日2月15日に公開となったアカデミー賞最有力候補作品『戦場のピアニスト』
の試写会には華やかな装いをした多数の芸能人が訪れていた。ロードショー終了後、
会見が行われたのだが、かなり奥の深い真剣度満点の内容だったためか、非常にテン
ションの落ちたものとなった。。。







常に壊れキャラでハイテンションを維持している榎本加奈子でさえも、

ワンランク下降ぎみ。いつもなら、“待ってましたぁ!!”とばかりに

食いついてきそうなバレンタインの話題を振られても、

榎本:「今回はごめんなさぁい。。(ショボン)ほんとうになんにもないんですぅ。」

と、マジ語り。

いかにもこの作品とは似つかわしくない榎本はご想像のとおり、「普段

は触れ合うことのない作品だから・・」と逆に心にズシリときたようだ。

彼女には難しかったようで、いまひとつ理解しきれていない様子がうかが

えたものの、人のやさしさや感動を覚えることができたのはイイ勉強にな

ったようだ。





シャネルの指輪を差し出す。ブランド志向がのぞく手元は彼女らしい。。。

が、このセクシーにカジュアルさをブレンドしたドレッシーな

ファッションに対して、

榎本:「コレぜんぶスタイリストさんですよ!下着以外は!」

というファンの夢を奪う発言・・・。ところでその下着って?

榎本:「下着は“黒”で!!」

と、こちらでは榎本節を振るわせてくれた。




そして、釈由美子は

釈:「言葉にあらわせないほどの迫力に胸に迫りくるものをかんじました。

今夜は眠れなそう・・・」


誰が見ても人として生きること、戦争についてなど考えさせられるのでは?

と深刻な顔で語る。



▲釈一押しのファッションアイテム
昨年は“クロス”のアクセが流行っていたが、釈の話によれば
今年は“四葉のクローバー”がくるらしい。年々、乙女チックな流行りモノに
なっていると感じるのは気のせい?






ベテラン女優である渡辺えり子に至っては、
映画を知りつくしているプロならではの発言があふれ出ていた。



渡辺 :「キャスティングが最高で、編集がうまいというか、テンポの上がるところと
ナチュラルな時間の使い方がすばらしいと思って。アメリカ映画なんですよね
?これ。(違うんですが・・・)思えないほどいい。」



この作品以前に目にしていたトム・クルーズの「マイノリティーリポート」とディカプリ
オの「ギャングオブニューヨーク」では、アメリカの過去と未来を見せられたかんじで
“つまらなくてつまらなくて・・・”と何度も連発していた。




渡辺 :「気負っていない、本当に正直に作られているところが・・・イイですね!
一人一人がしっかりした考えを持てば戦争は起きないんじゃないかっていう・・」










感動で赤に塗られた唇までも震わせて、何度も深いため息をもらしていた。
深く深く感動に浸る渡辺えり子の様子を取材する傍らで、記者は別方向の視
点に目がいった。震える唇を顔を手のひら全体で覆うそのカンジを比較する
とあきらかに顔がデカイ
本当にデカい。デカかった。例えるなら、まるでそれは写楽の描く
歌舞伎浮世絵のよう。失礼極まりなく、申し訳ない発言とおもい
つつも正直にそう感じたのだった・・・。

渡辺 :「役者もスゴイワ、監督もすごいけど。」





試写会が行われた2月5日はスマップの木村拓哉&工藤静香夫妻第2子となる女の子の赤
ちゃん、その名も「光希(みつき)」ちゃん(光り輝く希望に満ちた未来を歩いてほしい
という願いのもとに名づけられた)が誕生した日でもあり、リポーターからそんな話題も
各人に触れられていた。鑑賞の終了後ともあり命の尊さを実感していた彼女たちからは
「おめでたいですね〜」と歓喜の声があがる。が!、渡辺えり子だけ違った。人のことな
ど気にしている場合じゃない様子がワラワラと見え隠れ。かなり作品にのめりこんでいた
感があり、「なんだ、そんなことですかぁ、」
とまるでアカの他人ごと。
まぁ、そのとおりなのですが。。。しかし、ボソっとそっけなく口にする“なんだ、そん
なこと”でも、渡辺えり子がいうと、少しもいやみには聞こえなく、逆にこっけいなオモ
シロさがある。おそらく、ほんとうに“真剣”だからだ。おかしなくらいにまじめに映画
について語っていたのだ。人は、真剣になりすぎると逆に面白いものに映るのだというこ
とを理解できた瞬間だった。ちなみに話は変わって、釈は4人姉妹の次女であることが発
覚。きっと美人ぞろいな4姉妹なのでしょう。一度ご拝見願いたいものですな(笑)





この映画は実存したピアニストであるウワディスワフ・シュピルマンのストーリー。その
実子であるクリス・スピルマンが会場に登場してトークを繰り広げた。見た目が西洋系で
、当然のように通訳通しての訳語を聞くことになると客人らは、思っていたはず。が、ペ
ラペラと堪能な日本語でしゃべりだしたので、みな驚きの笑いがふきだした。先入観を持
ち人を判断することはよくないなと思わされた記者の一場面であった。


クリス:「父は非常に日本のことを高く評価していたんですね。一度来訪したとき感激し
     てボクにいろんな話をしていたんですが、日本で上映されることを知っていたら
     非常に嬉しかったと思います。」



そして映画にも出てくるシュピルマンがすむことになるアパート一室の隣りに、留学中偶
然にも住んでいたというピアニストの高橋多佳子さん。住所をみると自分の隣をさしてい
たことにはほんとうに驚いていたようだった。



高橋:「当時、ショパンの音楽はナチスドイツから禁止された音楽だったんですね。その
    バラード第1番を極限状態と言ってもいい状況のなかで、ドイツの将校の前でショ
    パンを弾くということは、たいへん深い意味があると思うんです。その演奏を聞い
    てるうちに、シュピルマンさんのいろんな思いが伝わってきて、観ていて震えがく
    るほど感動しました。」



そう述べて、「ショパン バラードト単調第2番作品23」の鍵盤を奏でる。作品終盤に
出てくるシュピルマンのピアノソロと同じ曲だ。もっとも感動を覚えるそのメロディーを
スクリーンで味わってみてはいかがだろう。



>>>映画情報はこちら


『戦場のピアニスト』
監督:ロマン・ポランスキー
ポーランド・フランス合作/2時間28分
配給:アミューズピクチャーズ
東京国際映画祭 第15回大会特別招待公式参加作品

(探偵ファイル)



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