思わず苦笑いの内山理名

NHK大河ドラマ『武蔵』の出演者が奥多摩に集結!!



▲左から米倉涼子、堤慎一、内山里名


深緑が鬱そうと生い茂る山々に囲まれ、エメラルドの多摩川上流にある吉川英治記念館。
2003年からスタート予定のNHK大河ドラマ『武蔵』のキャストである3名、米倉涼子(お通役)、堤慎一
(又八役)、内山理名(朱実役)が裏千家・淡交会のお茶会に出席、原作・吉川英治の仏壇に成功祈願をし
た。
お手前に出された菓子は生前の吉川が大好きだったという粟餅のなかに紫いものあんを入れ込んだ上品な甘
さの“菊一家”。静寂な雰囲気で訪問客を心よくもてなし、ひとときをくつろいでもらう茶の世界だが、一
般客から多くの報道陣がぞろぞろと回りを囲んだおかげで、お三方はどこか堅苦しさを感じたよう。内山に
いたっては、お椀が熱くて思わず「あついっ!」と苦笑いしてお手前の粗相をなんとかごまかした?




▲熱いお椀に思わず舌だしの内山と汗ビッショリの堤。アツアツの2人!?




すでに第一話の撮影は茨城県水海道市で始まっており、米倉は時代劇初挑戦に今まで味わったことのないき
らめきを感じているという。米倉演じるお通役は、原作吉川英治の愛妻との巡り会いと時を重ねるよう理想
の女性像として自ら盛り込んだオリジナルキャラクターである。世界中の人が手に取り、いままで何度もド
ラマかされ、マンガ(バガボンドー講談社)にまで取り上げられるほどの不朽の名作『宮本武蔵』のマドン
ナ的存在は心が強くたくましい女性像。米倉の演じるお通はどのようにうまれてくるだろうか、楽しみであ
る。
堤と内山は9月17日のスタジオから収録に入る。時代劇ベテランの堤は前の作品は気にせず自分本来の演じ
方で進めていきたいとはいったものの、仏壇では
「もしかしたら先生(吉川)の気に入らないキャラになってしまうかも。作品の妨げにならないようにしま
す。」
と少々弱気に手を合わせたという。











初挑戦の内山は時代劇独特の発声や立ち振る舞いを身につける為のトレーニングを行っている。身が引き締
まる思いで訓練しているというが、絡みで自分の気持ちと重なったときに役の朱実がどう表現されるか楽し
みと語っていた。
ドラマ『武蔵』は市川新之介の武蔵と米倉のお通をとおした男女の恋愛モノと捉えがちだが、現代人が失い
つつある人間が本来持ち得ている野性的な“たくましさ”というもの訴えが主旨。

この9月7日は、吉川英治の命日であり老若男女多くのファンが訪れていた。座右の名とする「吾以外皆
師」、「大衆即大知識」のごとくに生きたことは、その足跡に残されている。たくさんの親しき人々との輪
の中でこそ、“国民文学”と呼ばれる数々の名作は生み出されたのだ。常に歴史や社会問題を追求し、日本
人の精神性を哲学の真理で象った文学の数々。奥多摩・吉野の里で吉川文学再生を飾った作品「新・平家物
語」はその代表ともいえる。人間の怒りや権力をテーマに、頂点を目指して上り詰め、そして朽ち果ててい
く兵士の群像を7年間にも渡り連載している。愛読者らは、その途方もないであろう活字を続く限り追い続
けたという。

   ↓作家・吉川英治の肉声。
   
  「読者は小説を読んでる気で実は自分を読んでるんですね。僕は読者の思ってい
   るであろうことを描写しているんです。」


我々が本を読むときは必ずソコに自分を重ねているということだろうか。
豪華キャストの顔ぶれがそろった2003年から始まる『武蔵』、今から楽しみである。



(探偵ファイル)



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