氷川 ドッキドキ!のエスコート

〜雪村いづみ 歌手生活50周年リサイタル〜


遙か昔に“100年に一度のシンデレラ”と呼ばれた少女がいた。
やせっぽちで色黒の活発そうな女の子。

その少女の名は雪村いづみ。

若者たちには聞いたこともないという人がほとんどであろうが、彼女は今年で歌手生活50周年を迎える
ベテランシンガーである。
8月8日、中野サンプラザでアニバーサルコンサートを行った。
半世紀にも渡るその果てしなく長い道のり。
ひとつひとつの思い出を大切に振り返るように語り、何百曲という途方もない数の中から
慎重に選び抜かれた歌を懐かしむようにメロディーに乗せた。








“100年に一度の天才”−美空ひばり、“100年に一度の努力家”−江利ちえみ と並び三人娘と
呼ばれた彼女らは、私生活でも大親友だった。
いまでも自らの生命を躍動させ現役を通し続けているのは3人の中で雪村だけ。
2人の大親友はもうこの世には存在しない。
彼女らのヒットナンバーを懐かしむように、また胸いっぱいの思いのなかで披露しながらも、

「ただ運がよかっただけなのかしら・・・? そうなのよ!」
とあっけらかんに言い放つ。お見逸れするほどの運の強さだ。

「想い出のワルツ」や「ヘイ・ヘイ・ブギー」などの50年前にヒットし愛された曲たちが、
いまこうして耳に流れ込んできても決してサビれた感じがしない。
むしろ、この雑然とした世の中にうまくとけ込み新鮮さを覚えさせる。
また、雪村いづみが愛した曲「TONIGHT〜ウエストサイド物語より〜」や「愛の賛歌」の歌声は
透明感のある美しさで感動をも与えてくれた。






自分を50年前のスーパーアイドルという雪村いづみ。
“演歌界の現役スーパーアイドル”である氷川きよしがスペシャルゲストととして華々しく登場し、
『ダイアナ〜DIANA〜』の曲で緊張してぎこちなさが見え見えの中で大先輩雪村をエスコート。
(雪村いづみという芸名は事務所の人がつけたという。驚くような話で、“雪村”はどこかの地名であり
“いづみ”はスナックかクラブの店名というのがネーミングの由来。また、新人氷川の名付け親は
日本を代表する映画監督となっているビートたけし。)
「氷川クンの50周年にはゼッタイ出るわ!!」のことばに「お待ちしています・・。」とイメージ通りの
礼儀正しさで返す“好青年氷川”だった。
この8月にリリースされる新曲『星空の秋子』を、おなじみ独特のフリともに披露した。







リハーサル中の裏話だが、「(氷川に対して)舞台そでに下がるとき譜面台をもってさがってくれ」という
指示がでたのに対して、「ゲストをこき使っちゃいけませんよ。私が自分で下げますから。」と言った言葉
には長年つとめてきた人間の貫禄を見せられた。
スーッとまっすぐに伸びた背筋と保たれたプロポーションからはおおよそ年齢を感じさせない。
「本番でのドキドキがたまらない、だから辞められないのよね。」
プロで50年、そして「この先もずっと歌い続けていくのよ。」と最後に語った。

芸能生活50周年記念 雪村いづみリサイタル『Over the Reinbow』
             スペシャルゲスト 氷川きよし

9月5日 愛知厚生年金会館ホール 18:00開場
9月6日 大阪厚生年金会館ホール 18:00開場




(探偵ファイル)



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